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物語の鍵となる「ペンギンも幼い頃の思い出から?

ペンギンは違います(笑)。舞い降りてきた(笑)。ペンギンたちが海から陸に上がる時、決まってたどるルートのことを「ペンギン・ハイウェイ」と言うそうなのですが、その言葉を見た時、それをタイトルにすれば僕が思い描いている世界にぴったりだと思いました。とにかくしっくりきました。そしてタイトルにするからには、物語にもペンギンを出そうと(笑)。

インタビュー|写真7

「ペンギン」は直感的に登場させたのですね!

当初は直感的に登場させたペンギンでしたが、後々考えてみてもやはりこの物語にぴったりだと感じます。ペンギンは南極に住んでいる動物で、日常的に見るものではない。そして我々はしばしばペンギンの向こう側に南極をイメージすることがある。南極はある種、世界の果てのようなものだから、それが住宅地に現れるというのはおもしろいですよね。

創作のインスピレーションは、いつもどこから湧いてくるのでしょうか?

日常生活を送る中で目に飛び込んでくるものや、自分が好きでたまたま読んでいるものです。意識的に取りに行くというよりは、生活圏にあるものに着想を得て物語を作っています。舞台、背景、シチュエーション、フレーズなど、少しでも気になったものは、集めておくようにしていて、そういうものたちの結びつきからストーリーを紡いでいます。めんどくさいというのもあるんですけど(笑)、基本的に取材は行いません。

インタビュー|写真3

完成した映画を見てアニメーションならではの表現だと感じた部分はありましたか?

広々とした感覚は、アニメーションならではです。当初、郊外を舞台にした物語を書くのが難しかったと言いましたが、その理由の1つとして広々とした感覚を文章にするのが難しいというのがあったんです。ごちゃごちゃと集まっているものの方が書きやすいんです。それから、クライマックスに向けての盛り上がりも、アニメならではだと感じました。

映画を見ての率直な感想を教えてください。

とにかく美点が多い作品です。アオヤマ君の目を通した世界はきらきらと輝いていて、見ていてとても気持ちがいいし、脇役も可愛らしい。

過去にも様々な作品を映像化していただいていますが、僕は映像化された作品に馴染むのに時間がかかるんです。原作と映像をいったりきたりして違和感を覚えたり、自分の文章がセリフになっているのが恥ずかしかったりして、なかなか落ち着いて見ることができない。何回も繰り返して見ているうちに、映画を監督の作品として捉えることができるようになって、だいぶましになります。「ペンギン・ハイウェイ」も、何度も味わっているうちに、いい映画だと感じるようになりました。

インタビュー|写真10

小説の映像化に対してどのような考えをお持ちですか?

基本的には「別物」だとは考えるようにしています。自分の作品としては小説で完結しているんだから、必ずしも別のかたちにしなければならないというわけでもない。それに僕の書く話はきれいに整った小説じゃないんですよ。「魅力があるわりにはメチャクチャだ」と自分でも思うから、映像作品として成立させるのは難しい。よっぽど工夫を凝らさないと不可能なんで、映像化に挑まれる方々にはいつも申し訳ないと思ってしまう。

…そんなこと言うわりにはめちゃくちゃ映像化されているじゃないかという(笑)。いや、しかし原作者として映像化はありがたいことですよ、本も売れますし。本を出さなくても活躍しているように見えますし。なので、よほどやる気があるか、腕に自信があるかの人にお願いしています。

「ペンギン・ハイウェイ」の映像化を許可したのはなぜですか?

監督にやる気を感じたからです。具体的な絵を書いて、たくさん準備して送ってくれました。長編初監督ということで不安でしたが、若干思い切って任せました。いったん任せてしまえばできるだけ口も出さない。僕の作品だと言い切れるのは小説だけで、映画は監督の作品だと思っているので、きちんと責任を取れる人にお願いしました。その時点で僕の役割はおしまいです。

新鋭・石田祐康が監督

インタビュー|写真11

アニメーション映画化にあたっては、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞した弱冠29歳の新鋭・石田祐康が監督に就任した。

映画の制作を担当するのは、映画やテレビCMなど多方面でアニメーション映像をプロデュースしている「スタジオコロリド」。繊細かつ温かみのある表現で、原作の爽やかなテイストそのままに、よりスケールアップした作品を描く。

声優に若手女優・北香那、蒼井優、西島秀俊ら

キャストは、主人公・アオヤマ君役に若手女優・北香那。声優初挑戦にして初主演を務める。また、いたずらっぽい明るい一面とミステリアスな雰囲気を併せもつ“お姉さん役に、豊かな演技力で映画『家族はつらいよ2』『彼女がその名を知らない鳥たち』などで活躍する蒼井優が起用される。

また、アオヤマ君にノートを与え、学び方を指南したお父さん役は、『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』『散り椿』『人魚の眠る家』の公開が迫る西島秀俊が担当。『風立ちぬ』以来5年ぶりの声優挑戦となる。さらに、研究者として街で起こる奇妙な現象を調査する、アオヤマ君の同級生の女の子・ハマモトさんのお父さん役を『走れ!T校バスケット部』の公開を控える竹中直人、クラスメイトのウチダ君役を釘宮理恵、ハマモトさん役を潘めぐみが務める。

主題歌は宇多田ヒカル「Good Night」

主題歌は、宇多田ヒカルの「Good Night」。宇多田ヒカル本人が原作を読み、書き下ろした新曲だ。宇多田ヒカルがアニメーション映画の主題歌を担当するのは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の「桜流し」以来約6年ぶりとなる。なお、新曲「Good Night」は、6月27日(水)発売のオリジナルアルバム「初恋」に収録される。

詳細

映画『ペンギン・ハイウェイ』
公開時期:2018年8月17日(金)
原作:森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』
監督:石田祐康
キャラクターデザイン:新井陽次郎
出演:北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、西島秀俊、竹中直人
脚本:上田誠
音楽:阿部海太郎
制作:スタジオコロリド

©2018森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

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