映画『今日も嫌がらせ弁当』が、主演・篠原涼子で2019年6月28日(金)に全国公開される。
『今日も嫌がらせ弁当』は、八丈島に住むシングルマザーかおりが、高校生の娘・双葉に仕掛けるお弁当をめぐる、母娘バトルを描く、実話をもとにしたストーリー。生意気な態度や無視を繰り返す娘に対して仕返しをするべく、母親が選んだ武器は…“キャラ弁”。娘の高校入学から卒業までの3年間にわたる“キャラ弁”を通じた母娘バトルがスタートする。
原作は、Amebaブログデイリー総合ランキング1位となったkaori(ttkk)による「ttkkの嫌がらせのためだけのお弁当ブログ」。特に反響の大きかったお弁当と日記を抜粋して書籍化されたエッセイ『今日も嫌がらせ弁当』は発行部数シリーズ累計20万部を突破するほどのヒットを記録した。映画『今日も嫌がらせ弁当』では、エッセイをもとに映画オリジナルのストーリーを加えて、ユーモラスと感動に溢れた物語を展開していく。
主人公の八丈島に住むシングルマザー・持丸かおりを演じるのは篠原涼子。2018年は『北の桜守』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』『人魚の眠る家』の3本の出演映画が公開になるなど、唯一無二の存在感を見せている篠原が、本作では、料理が大好きで、娘のキャラ弁づくりに邁進中のバイタリティーにあふれる母役に挑戦する。
反抗期の高校生の娘・双葉には芳根京子を起用した。NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」のヒロインを務めたことで注目を集め、2018年には『累-かさね-』や吹き替えを務めた『ボス・ベイビー』が公開された。篠原涼子との共演は、2013年のテレビドラマ「ラスト・シンデレラ」以降2度目となる。
また、かおりのブログ愛読者である信介は佐藤隆太。妻を半年前に病気で亡くした、料理も家事も苦手なシングルファーザーだ。
そのほか、双葉の姉・若葉は松井玲奈、双葉が密かに想いを寄せる同級生・達雄は佐藤寛太が演じる。
公開に先駆けて、『今日も嫌がらせ弁当』で、パートナーを亡くした“親”を同じく演じた篠原涼子と佐藤隆太にインタビューを実施。プライベートでもそれぞれ母として、父としての時間を過ごす2人が、本作に抱いた想いとはどういったものだったのか。
■最初に台本を読んだときの感想を教えてください。
篠原: 親子はどんな風に進んでいくのか先が気になって、あっという間に読んでしまいました。“キャラ弁”を使った題材自体がとても面白いテーマでしたし、私がやるにしても、やらないにしても、完成した映画を見てみたくなりました。ですから、演じられることがとにかく嬉しい!やりたい!と感じました。
佐藤:僕も同じですね。台本を最初に読み終えた時、すごく温かい気持ちになれたんです。親子のやりとりが時にコミカルで、とても可愛らしくて。“家族”をテーマにしたストーリーが感動的でした。
■お二人ともプライベートでも親という立場ですが、自身の経験と照らし合わせた部分はありましたか。
篠原:私の長男が、もうすぐ(芳根京子が演じる)双葉と同じくらいの年になります。だから、『今日も嫌がらせ弁当』では、まだ見ぬ将来の息子たちの反抗期を経験できた気がしました。
いずれ反抗期がきたときどうなるのかなあ、こんな風になるのかな…って。反抗期って成長の証だから、なければないで心配ですし、覚悟はしているんですけどね。楽しみでもありますから。
佐藤:演じた役はシングルファーザーだったので、今の自分の状況とは違いますが、共感できるところはありました。
子どもと一緒にいる時間が大好きですが、やっぱり妻がいない時に、ふと、僕だけだとフォローできない部分があるんじゃないかな……と不安になってしまう時もあって。今回の作品を通して、僕が実際にシングルファーザーだったらと考えてみると、母親という圧倒的な存在の偉大さを改めて実感しましたね。
篠原:(映画で演じた) kaoriさんの場合は、子供の育て方がとても丁寧で、同じ母である私でさえ、すごいと思う部分が多かったです。
私は2人息子、kaoriさんは2人娘のお母さんなので、教育という面では大きな違いがあるとは思います。私の場合、男の子だから「もっとはじけてほしい」「強くなってほしい」という感情があって。でも、女の子の場合は、もっと細やかなところまで教える必要があると思うんです。
でも、kaoriさんはそれをとても丁寧にされている。それがお弁当にも表れているのだと思います。
■『今日も嫌がらせ弁当』に出演されたあと、キャラ弁作りは実践されましたか?
佐藤:実践しましたよ。娘の運動会のときに。でも、全然……(笑)
篠原:できなかった?
佐藤:できなかったです(笑)。映画の中で僕もお弁当を作るシーンがあって、描かれ方が正直「下手すぎるだろ!」と思ってたんですけど、いざ自分でやってみると、なるほど、こりゃむずかしいぞ…!!と。kaoriさんは、毎回手を変え品を変えされていた訳ですから、本当にすごいなと (笑)。
■篠原さんはいかがですか?
篠原:私の場合は息子なので、キャラクター系は嫌がるんですよね。でも、キャラ弁ではなくとも、ひとつひとつ子供との思い出作りになることをしていかないとダメだなと思いました。どんどん子供が成長していく中で、今にしかできないことってたくさんありますからね。
■この作品から気づかされたことがあったのですね。
篠原:お弁当は、見えないところで自分を思い出してくれるもので、遠くにいても繋がっていられるものだなとも感じました。離れているけど、縮まっている感覚。こういう気持ちって、お弁当に限らなくても、すごく大事なことだということだと思うんです。
私も、すれ違いで会えないときとかは、子供たちに手紙をかいて朝置いていくとか、そういうやりとりをしていますけどね。でも、kaoriさんみたいに丁寧じゃないかなあ。
佐藤:会話のキャッチボールのツールとしてお弁当を使うっていうのも、とても新鮮ですよね。お弁当が言葉代わりのツール、思い出作りのツールとして、すごく力をもっていると感じました。それから、そういった閃きも親として大事なことだと気付ける作品でした。