Q.子供たちを演じる子役には、どんなことを伝えましたか。
彼らに課したルールはセリフを覚えることだけ。あとはのびのびと自由に演じてもらうことにしました。もちろんカメラを回すまで不安はありましたが、撮影初日にその心配はどこかへいってしまいました。子供たちが魔法にかかったように動き出したのです。何1つ言うことが無い、本当に愛すべき演技でした。
Q.子供たちを描くことに、特別な思い入れはありますか。
子供たちの話をつづることが好きなのは、大人に世界は素晴らしいものだと教えてくれるからです。思春期の青年たちを描いた『ウォールフラワー』では、ありとあらゆることが初めての若い時は、何もかもが重要性を帯びていることを伝えたかった。
友情はとても意味があるもので、失恋はものすごくつらい。けれど、そういった人生のきらめきは年を重ねるごとに薄れていってしまうもの。だからこそ子供たちの物語を通じて、もう一度世界の素晴らしさを思い出して欲しかったのです。
Q.映画監督として描きたいものを探し出すまでに、影響を受けた監督はいますか。
日本の監督で影響を受けた人をあげるのであれば、先ずは黒澤明監督。学生時代は、映画学校で見たのですが、映画史に残る最も偉大な監督の1人だと思っています。『ワンダー 君は太陽』は様々な人の視点でストーリーが進行していきます。原作通りではあるのですが、実は黒澤明監督の『羅生門』(50)に影響を受けている部分でもありますね。
他にも、日本人監督でいえば『東京物語』(53)の小津安二郎監督も、とにかくエレガントで大好きです。是枝裕和監督も『三度目の殺人』(17)を見たばかりなのですが、才能に溢れていて素晴らしかった。それから『もののけ姫』(97)の宮崎駿監督、河瀬直美監督にも注目しています。
生まれつき人と違う顔をもつ主人公の少年オーガストこと“オギー”を演じるのは、『ルーム』で一躍世界中から注目を集めた天才子役のジェイコブ・トレンブレイ。同作で小さな部屋に監禁され続け、外の世界を知らない少年役を演じた彼は、本作でも、外見に生まれつきの障がいを抱えるという難しい役どころを演じる。
母親のイザベル役には映画『プリティ・ウーマン』や『白雪姫と鏡の女王』の名女優ジュリア・ロバーツが演じる。
父親・ネート役にはコメディからドラマまで幅の広い実力派俳優のオーウェン・ウィルソンを起用。『ミッドナイト・イン・パリ』や『ズーランダー2』などが有名だ。オーフェンは『ワンダー 君は太陽』について「親切でいようと思わせてくれる映画です。人との違いではなく共通点にもっと目を向けるようになりますよ」と話している。
映画『ワンダー 君は太陽』
公開時期:2018年6月15日(金)よりTOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開
原題:『Wonder』
原作:R・J・パラシオ『ワンダー』ほるぷ出版刊
監督・脚本:スティーブン・チョボスキー
製作:トッド・リーバーマン、デヴィッド・ホバーマン
出演:ジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソン、ジェイコブ・トレンブレイほか
配給:キノフィルムズ