映画『閉鎖病棟―それぞれの朝―』が、2019年11月1日(金)に公開される。
原作は、精神科医を務めながら、珠玉の人間ドラマを生み出してきた帚木蓬生による山本周五郎賞受賞作『閉鎖病棟』。とある精神科病院を舞台に、様々な過去を背負い、家族や世間から遠ざけられながらも明るく生きていた患者たちの日常を遮るように起こった殺人事件と、その事件を巡って交錯する様々な想いを描いた作品だ。
長野県小諸のとある精神科病院。それぞれの過去を背負った患者たちがいる。母親や嫁を殺めた罪で死刑となりながら、死刑執行が失敗し生き永らえた梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)。サラリーマンだったが幻聴が聴こえ暴れ出すようになり、妹夫婦から疎んじられているチュウさん(綾野剛)。不登校が原因で通院してくる女子高生、由紀(小松菜奈)。彼らは家族や世間から遠ざけられても、明るく生きようとしていた。そんな日常を一変させる殺人事件が院内で起こった。加害者は秀丸。彼を犯行に駆り立てた理由とはーー?
主演を務めるのは、落語家、タレント、俳優と多岐にわたって活躍する芸人・笑福亭鶴瓶。刑の執行が失敗し生きながらえた死刑囚・梶木秀丸を演じる鶴瓶は、役作りの為に7キロを減量、トレードマークの庶民的な顔とは異なる、危うい存在感を要する役柄に挑む。
笑福亭鶴瓶 コメント
「平山監督から、長文のオファーの手紙をいただいたのが3年前。素晴らしい作品を数多く手がけた平山監督がそこまでおっしゃるならと、お引き受けしました。とにかくいい脚本なんです。クランクイン前に脚本を読んでいたら、涙が止まらず、撮影現場でも台詞を言っていても、ぐっと詰まることが度々あります。“人に優しい映画”になると確信しています。」
また、秀丸と心を通わせる患者・チュウさん役として綾野剛が出演。幻聴が聴こえるようになり、家族から疎まれたことで強制入院となった元サラリーマンのチュウさんは、精神科病院の中で秀丸と心を通わせていくキーパーソンだ。そして、不登校が原因で精神科病院に通院する女子高生・由紀役を小松菜奈が演じる。
メインキャラクターを取り巻く主な登場人物達たちの配役は以下の通り。
井波(小林聡美)
看護師長。患者たちを優しくも厳しい態度で常に見守る。
重宗(渋川清彦)
患者。衝動的に暴力を振るい、周囲から煙たがられている。
丸井昭八(坂東龍汰)
患者。話すのが不自由な一方で、カメラが得意。チュウさんを慕っている。
大谷(高橋和也)
医師。たび重なる病院内の事件にも冷静に対応する。
石田サナエ(木野花)
患者。折々家族のもとへ外泊し、他の者たちから羨望の眼差しで見られている。
監督・脚本を務めるのは、『エヴェレスト 神々の山嶺』『愛を乞うひと』などで知られる平山秀幸。2011年に原作と出逢ってその物語に惚れ込んだ平山監督は、本作で初めて自ら脚本を執筆して映画化を打診、今回9年越しでその想いが実現することとなった。
主題歌「光るソラ蒼く」を担当するのは、韓国出身のシンガーソングライター・K。日本での活動を開始した当初、お笑い番組を観て日本語を学んでいたというKだが、その中でも特に“教材”として参考にしていたのが鶴瓶の日本語。その後番組をきっかけに鶴瓶と意気投合したKは、いつか鶴瓶の出演する作品で自分の歌を歌ってみたいと願っていたという。
そんな彼の念願の叶った今回の主題歌は、撮影現場に実際にKが足を踏み入れて作成した一曲。作品の世界観を投影した歌詞が綴られている。
映画『閉鎖病棟―それぞれの朝―』
公開日:2019年11月1日(金)
キャスト:笑福亭鶴瓶、綾野剛、小松菜奈、坂東龍汰、 平岩紙、綾田俊樹、森下能幸、水澤紳吾、駒木根隆介、大窪人衛、北村早樹子、大方斐紗子、村木仁、片岡礼子、山中崇、根岸季衣、ベンガル、高橋和也、木野花、渋川清彦、小林聡美
原作:帚木蓬生『閉鎖病棟』(新潮文庫刊)
監督・脚本:平山秀幸
■ムビチケ情報
発売日:9月20日(金)~
販売場所:各劇場
特典:数量限定特製クリアファイル付き