N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)は、2020年春夏コレクションを、ニューヨークで発表した。
今季のクリエーションにあたり、デザイナーの尾花大輔が旅に出たのは、イギリスのロンドン、エディンバラ。イギリスならではの空気感を感じながら、トラディショナルウェアの持つクラシックな趣に、独自の“崩し”を加える。古着やアメリカからの影響をルーツに持つ、N.ハリウッドのアイデンティティを投影した。
象徴的なのは、ショー冒頭に登場した、赤のチェック地で仕立てたウェアの数々だ。このファブリックはアンダーカバー(UNDERCOVER)から提供されたもので、今回のために“REBEL FABRIC”と命名。シャツの袖には、アンダーカバーのロゴをあえて逆向きに配置したスペシャルなタグがあしらわれている。細かくダーツを入れることで服地の表面に緩急をつけたジャケットには、英国の民族衣装を彷彿させる、広がりのあるシルエットのハーフパンツをスタイリング。ウェアのフォルムをゆったりと仕立てることで、抜け感を作り出す。
その他にも、高密度のピンストライプのウール地を採用したジャケットや、グレンチェックのセットアップなど、クラシカルなファブリックを用いたウェアが散見された。グレンチェックウールの、ドロップショルダーのシャツには袖と肩の部分にスナップが配されており、異なる生地の袖を付けたり、袖を取って着たりすることができる。構築的で、ややパンクの雰囲気も漂うアヴァンギャルドなレイヤードスタイルを組み立てることが可能だ。
また、イギリスの元首相であるウィンストン・チャーチルが、戦時中避難する際にジャンプスーツを身に着けたとされる逸話から着想を得た、上品なベルベットのジャンプスーツや、イギリスの「リメンバランス・サンデー」を彩る赤いポピーから連想した、朱色に近い赤のカットソー、イギリスの老舗サンスペルとのコラボレーションTシャツなど、イギリスのエッセンスを直接的に取り入れたピースも揃えた。
英国発のミリタリーウェアブランドであるアークエアー(ArkAir)とコラボレーションした、N.ハリウッド エクスチェンジサービスのジャケットやパンツも登場。ジャケットは、フロントや袖に大きめのポケットが施されているものの、フラットなデザインでハードさを抑えた。その一方で、パンツは、屈んだ時でも物を取り出せるよう裾に近い位置にポケットがあしらわれていたり、ポケットの中に武器を固定できるミリタリーの仕様を残していたりと、ファンクショナブルなデザインに仕立てられている。
シューズも、コラボレーションモデルが多数登場。UGG(アグ)とのコラボレーションシューズは、チャンキーなソールを配したスライダーやドレスシューズ。見た目に反して軽やかな履き心地と、シンプルかつ無骨な佇まいが特徴的だ。艶やかに仕立てたスイコック(SUICOKE)のシューズは、輝きを放つバックルがアクセントになっている。
また、N.ハリウッド エクスチェンジサービスとニューバランス(New Balance)のコラボレーションスニーカーは、カラフルな1足。ニューバランスのランニングシューズ「850」をベースに、ミリタリーのライトから着想を得たブライトなオレンジのアッパーやブルーのパーツをあしらい、メッシュの上からミルスペックを配した大胆なデザインに仕上げている。