Q.バンド名を変更することは、心境の変化の現れですか。
そう、割と完璧主義なのでコンセプトと名前が合っていないと気持ち悪いんです。
公に話していないんですけど、実はSrv.Vinci(サーバ・ヴィンチ)の頃は名前を3回も変えているんですよ。内容が変化する時には、名前も変える!(笑)
今は、もう変えれないですけどね。前はならなかったけど、今はニュースになっちゃうから(笑)。
Q.King Gnu(キングヌー)は動物のヌーに由来するそうですね。
ヌーは、サバンナでいう民衆的なイメージの動物。大きい群を作って生活する草食動物。実は、昔からヌーに着目していて、MVやパッケージなどに結構登場させていたんですよ。単純に字面も好きで。
※King Gnu(キングヌー)の意味:
ヌーは少しずつ仲間と合流し、やがて巨大な群れで行動する習性を持つ動物。ヌーが仲間を増やすように、どんどんファンを増やしていき、やがて大きな群れとなって活動していきたいという思いが、バンド名につけられている。
Q.「King Gnu(キングヌー)」を結成して大きく変えたことは?
歌謡曲、J-POPをやるということ。その土俵にちゃんと乗るということ。
King Gnuを結成したのは、日本の音楽業界と密接にコネクトしたものをやっていく。意思表明じゃないけど、そういう意味を込めて名前を一新してやっていこうって思って変更しました。
Srv.Vinci(サーバ・ヴィンチ)の時からメンバーは変わってなかったんですけど、そこからは日本のJ-POP界に根付いたものを目指すようになりました。
J-POPって他の音楽と比べて特殊なので、意識をもちろん変える必要がありました。J-POPはメロディーの考え方が特殊で、いわゆる洋楽のポップスとは、メロディーに対する価値観が違う。なので、そこからは邦楽を聞くようになりましたね。昔はあまり聞いていなかったんですけど、Mr.Childrenさんとか宇多田ヒカルさんとか、意識して聞くようになりました。
King Gnu(キングヌー)のリーダーとしてバンドを率いている常田だが、母校・東京藝術大学ではチェロを専攻。小澤征爾が主宰するオーケストラ楽団に所属していた経歴も持つ。生まれもっての音楽青年だ。
Q.音楽を好きになったきっかけは?
両親がピアノ弾きなんで、自宅でずっと音楽がかかっていたんです。ピアノがあったのでピアノには自然と触れていた感じ。両親にも教わっていないし、別に習っていたとかではないんですけどね。
Q.音楽活動に目覚めた頃の話を教えてください。
中学生の頃には、バンドをやっていました。ギターも、ベースも弾いていて。その頃には同級生よりは上手かった。周りに出来る人がいなかったので、同級生の仲間に教えながらバンドをやっていましたね。
Q.音楽を仕事にしようと決めたのはいつ頃ですか。
バンドをやっていた中学時代から、自然とそれ以外考えたことがなかった。
高校生の時には、デモテープを送っていたりはしていて。何かのコンテストで賞を取ったときに音楽レーベルの人と知り合って、高校時代にはもう音楽業界の方との繋がりはありました。
Q.大学ではチェロを専攻されていたそうですね。
大学にはチェロで進学しているんですけど、何か一つの楽器に特化してひたすらやるというマインドでは基本ないです。
今やパソコンで多重録音して、自分の作った曲を自分一人で組み立てていけるので。複合的に音楽に触れられる。昔よりマルチに楽器を操るタイプの人は多いと思います。
King Gnu(キングヌー)のリーダーとして活躍している傍ら、常田大希はソロ活動も行っているmillennium parade (ミレニアム・パレード)として2019年5月に始動。2019年5月に1stシングル『Veil』、6月には2ndシングル『Plankton』をリリースしたばかりだ。