「KYOTOGRAPHIE 2025 京都国際写真祭」が、2025年4月12日(土)から5月11日(日)まで京都文化博物館 別館、京都市京セラ美術館 別館など、京都市内の各会場にて開催される。
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」は、京都を舞台に毎年開催されている国際的な写真祭。京都市内の趣のある歴史的建造物やモダンな近現代建築、ギャラリー、ミュージアムなどを会場に、国内外の写真家による写真作品を展示するイベントだ。2025年のテーマは「ヒューマニティ(HUMANITY)」。メインプログラムには世界10カ国から13組のアーティストが参加し、人間の営みの多様性と複雑さを切り取ったような写真作品の数々を紹介する。
京都文化博物館 別館には、インドのバンガロールを拠点とするアーティストのプシュパマラ・Nによる写真作品が登場する。自らを被写体としてフレームに組み込み、女性像の構築をテーマとした作品や国民国家の枠組みを問うような写真作品を発表。社会問題に関する示唆を、ストーリー性や演劇性を持たせて表現した写真作品を手掛けている。
会場には、プシュパマラ・Nの主要な3つのシリーズを展示。中でも注目は、近年テート・モダンで展示された「The Arrival of Vasco da Gama」。インドへの新航路を発見した最初のヨーロッパ人である、ポルトガルの探検家ヴァスコ・ダ・ガマにプシュパマラ・N自らが扮し、劇的に表現した写真作品だ。ヴァスコ・ダ・ガマのインド到着400周年を記念した絵画がベースとなっている。
なお、ヴァスコ・ダ・ガマの新航路発見が、後にヨーロッパの植民地主義がアジア諸国に広がった契機となっており、「The Arrival of Vasco da Gama」はフィクション的な表現を通して歴史を見つめる作品であるといえる。
京都駅ビル北側通路の壁面や、京都新聞ビル地下1階の印刷工場跡において鑑賞することができるのは、フランスのアーティストJRの作品。道ゆく人に自分自身の認識と対峙するような問いを投げかけるパブリック・アートを手掛けており、人々の巨大なポートレートを用いたインスタレーションを継続的に行っている。映画『顔たち、ところどころ』では、アニエス・ヴァルダとともに旅をしながら作品制作を行った。
今回発表されるのは、リアリティーあふれる京都の人々の姿を写し出した写真壁画作品《JR 京都クロニクル2024》。2024年秋に京都の様々な場所で移動式のスタジオを構え、道ゆく人に声をかけてポートレート撮影を行った。
また、メキシコシティ生まれの写真家グラシエラ・イトゥルビデの作品は、京都市京セラ美術館 別館に登場する。故郷メキシコの地域社会を撮影したモノクロ写真で知られている写真家で、メキシコのソノラ砂漠やフチタンデサラゴサをはじめ、キューバ、パナマ、インド、アルゼンチン、アメリカなど世界各地を旅しながら撮影を行っている。日本で大規模個展を開催するのは今回が初となる。
なお、「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」では、写真展示のほかにも多彩なプログラムを用意。アーティスト・トークやツアーを通じてアーティストと直接関わることのできるイベントや、ワークショップ、映像上映、キッズ・プログラムなどを実施する。加えて、サテライトイベントの公募展「KG+2025」も開催される。
【詳細】
「KYOTOGRAPHIE 2025 京都国際写真祭」
会期:2025年4月12日(土)〜5月11日(日)
チケット料金:一般パスポート 6,000円(前売り5,500円)、学生パスポート 3,000円(前売りも同額)
※入場無料会場もあり
■予定会場
京都文化博物館 別館、京都新聞ビル地下1階(印刷工場跡)、京都駅ビル北側通路壁面、京都市京セラ美術館 別館、両足院、誉田屋源兵衛 竹院の間、くろちく万歳ビル、ASPHODEL、八竹庵(旧川崎家住宅)、ギャラリー素形、DELTA/ KYOTOGRAPHIE Permanent Space 出町桝形商店街、嶋臺(しまだい)ギャラリー
■参加アーティスト
プシュパマラ・N、JR、マーティン・パー 、グラシエラ・イトゥルビデ、石川真生、甲斐啓二郎、吉田多麻希※、アダム・ルハナ、イーモン・ドイル、劉星佑(リュウ・セイユウ)、レティシア・キイ、エリック・ポワトヴァン、リー・シュルマン& オマー・ヴィクター・ディオプ
※吉田多麻希の「吉」の正しい表記はつちよし
※出展作家、会場名など全てのプログラム内容は、予告なく変更になる可能性あり