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瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ“書簡”が紡ぐ創造性を探る展覧会、東京・慶應義塾で

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東京の慶應義塾大学アート・センターでは、展覧会「交信詩あるいは書簡と触発:瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ」を、2025年3月17日(月)から5月30日(金)まで開催する。

共作の場としての“書簡”

「マルセル・デュシャン」展(フィラデルフィア美術館、1973年)にて
《彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも》の前で語り合う瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ 
資料提供:慶應義塾大学アート・センター 撮影:森口陽
「マルセル・デュシャン」展(フィラデルフィア美術館、1973年)にて
《彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも》の前で語り合う瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ
資料提供:慶應義塾大学アート・センター 撮影:森口陽

「交信詩あるいは書簡と触発:瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ」展は、詩人・美術批評家として活躍した瀧口修造と、ニューヨークを拠点に共同制作を展開した美術家・荒川修作/詩人・マドリン・ギンズが交わした、書簡に焦点を合わせる展覧会だ。

書簡は、ある人物の営為や思考が、その人物だけによるものではなく、他者と触発しあうなかで紡がれることを示すものだといえる。本展は、さまざまなかたちで触発しあう関係にあった瀧口と荒川/ギンズの書簡のやりとりを通して、こうしたダイナミズムに光をあてるものとなる。

「1963年12月3日付の荒川修作から瀧口修造宛書簡」
資料提供:慶應義塾大学アート・センター
「1963年12月3日付の荒川修作から瀧口修造宛書簡」
資料提供:慶應義塾大学アート・センター

瀧口は1979年に世を去るまで、荒川/ギンズと往復書簡を交わしている。また、1960年以降には、自ら「交信詩/交信紙」と呼んだ自作本「手づくり本」を手がけた。一方、荒川/ギンズから瀧口へ宛てられた書簡には、用事や近況を伝えるばかりでなく、ユーモアや既知に富む方法で書簡のなしうることを推し進め、新たなメディアへと変貌するようなものをも見出すことができる。

「1962年に瀧口修造が荒川修作へ送ったバーント・ドローイング」
資料提供:荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所
「1962年に瀧口修造が荒川修作へ送ったバーント・ドローイング」
資料提供:荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所

このように書簡は、私的なメディアであるため、送り手と受け手にしか理解できない閉ざされた性格を持つように思える。しかし本展では、書簡を共作の場として捉え、そこに新たな表現へと開かれた「余白」を見てとることで、瀧口と荒川/ギンズの創造性を再考してゆく。

展覧会概要

アート・アーカイヴ資料展XXVII「交信詩あるいは書簡と触発:瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ」
会期:2025年3月17日(月)〜5月30日(金)
会場:慶應義塾大学アート・センター
住所:東京都港区三田2-15-45 三田キャンパス 南別館 1F アート・スペース
開館時間:11:00〜18:00
休館日:土・日曜日(4月19日(土)、5月24日(土)は開館)、祝日、4月21日(月)、4月26日(土)〜5月6日(火)、5月26日(月)
入場料:無料

【問い合わせ先】
慶應義塾大学アート・センター
TEL: 03-5427-1621

Photos(3枚)

瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ“書簡”が紡ぐ創造性を探る展覧会、東京・慶應義塾で|写真1 瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ“書簡”が紡ぐ創造性を探る展覧会、東京・慶應義塾で|写真2 瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ“書簡”が紡ぐ創造性を探る展覧会、東京・慶應義塾で|写真3

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