サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)のミラノ復帰となる、2020-21年秋冬メンズコレクションが、イタリア・ミラノで発表された。
今回の2020年秋冬コレクションでは、映画007シリーズのジェームズ・ボンドを彷彿させる、テイストに捉われることのない、もっと自由に楽しめるメンズファッションを提案した。
ビジネスマン、ソルジャー、セーラー、バイカー、レーシングドライバー、サーファーと6人の男性を取り上げ、彼らの象徴的なユニフォームや衣服を、テイストを横断させてミックスすることで、新しいファッションの面白さを引き出す。ウィメンズに比べて、元々アイテム数が少ない紳士服も、より自由にコーディネートを楽しめるようにと願いを込めている。
例えば、兵士の象徴であるミリタリーファッション。カーキのセットアップは、軍服のような強さを保持したままだが、よく見るとモチーフはボタニカルプリント。サーファーと縁のある植物を取り入れることで、従来の姿から逸脱する。手元には、バイカー愛用のレザーグローブをセット。どれも男性服でなじみのある要素であるが、一つにまとまることで、新しい魅力を生み出している。
ビジネスマンの味方となるスーツは、今季も上質なウール地で仕立てた。気品をくれるピンストライプをのせれば、よりエレガントな雰囲気を演出してくれる。
しかしながら、今季は2ピース、3ピースのなじみの形ではなく新しいレイヤードを提案。テーラードジャケットと同素材のハーフスリーブトップ、ハーフパンツ、ロングパンツを揃えた。ジャケットの下には、ラフに半袖トップを忍ばせ、ロングパンツの上からハーフパンツをレイヤードする。足下はシックな革靴で引き締めているのに、遊び心が満載だ。
また、遊び心といえば、ベルクロ(マジックテープ)のディテールが今季の特徴だろう。ボトムスのウエスト部分のサイドには、ベルクロが取り付けられていて、テープをつけるときれいなプリーツが生まれる。
ウール地のロングコートにもベルクロをオン。サイドのラインを引き締めてくれ、きゅっと絞った美しいボディラインを演出してくれるのだ。