アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)の2020-21年秋冬メンズコレクションが、2020年1月17日(金)フランス・パリで発表された。テーマは「LE FAUNE」。
デザイナーのセバスチャン・ムニエは、ウィメンズコレクションに引き続き、舞台芸術に目を向けている。今季のキーワードはバレエ。
インスピレーション源となったのは、1912年にパリ公演を行った、ロシアの男性バレエダンサー ヴァーツラフ・ニジンスキーだ。その斬新な衣装、メイクアップからセンセーショナルな影響を与えたとされる“伝説のダンサー”を讃え、伝統的なバレエコスチュームをヒントにコレクションを製作。
象徴的なのは、レオタードを想起させるシースルーのボディスーツ。ブラックまたはホワイトのトランスペアレントなテキスタイルから肌を透かせて、テーラードジャケット、ガウンコートの下から強く主張する。ダブルブレストジャケットも、レオタード同様にストレッチの効いたファブリックで仕立てた。
また、ジャケットなどは裾をラウンド型にカットして後ろ下がりのシルエットに。ガウンコートはバックスタイルをキュッと絞ることで、細いウエストを強調し、紳士服でありながら、色っぽい姿に変えている。
この曲線的なフォルムにのせるのは、表情のあるテキスタイル。マーメイドグリーンからブラウンへと移ろうベルベットや、シワ加工を施したような凹凸のある生地など、思わず触れてみたくなる魅惑的なテキスタイルが選ばれている。
またインナーには、リボンを随所にあしらい流れるような動きを作ったり、レースのトップスをチョイスいる。アイレット・レースが胸元からのぞく繊細なムードは、バレエ鑑賞したときのようなうっとりとした気持ちに観客を誘ってくれる。
アクセサリーも今季は詩的なムード。花や葉をモチーフに、首回りでふわっと咲かせたフラワーネックレスや、ラペルの上でひらりと舞う葉のブローチを完成させた。手首だけでなく二の腕までデコレーションしたブレスレットもやはりボタニカルモチーフで、華やかな空気を届けている。