芥川賞作家・綿矢りさの同名小説が原作の映画『ひらいて』が2021年10月22日(金)に公開。主演は山田杏奈が務める。
綿矢りさによる原作小説『ひらいて』は、恐れを知らない女子高生の熱い恋心が、意中の彼の恋人にまで向けられる、エキセントリックさを秘めたラブストーリー。自己本位になりながら、屈折した少女の恋心を描いた物語は、単なる青春恋愛ジャンルに留まらない、新感覚の愛憎エンターテイメントとして話題を集めた。
高校生の思いつめた恋心、暴走する想いを描き、人間の根源的な愛を問う文芸少女のバイブルともいえる小説『ひらいて』が、エキセントリックでありながらも切実な純愛を描く恋愛映画として映画化される。
映画では、主人公の女子高生・木村愛を、『ジオラマボーイ・パノラマガール』『樹海村』でも主演を務めた人気女優・山田杏奈が担当。意中を寄せる男クラスメイトと、その恋人との絡み合う三角関係の中で、屈折した恋心を抱く主人公を、圧倒的な存在力と演技で表現する。
主人公・愛といびつな三角関係になる登場人物にも、注目キャストが抜擢。
西村たとえ(作間龍斗)
愛が恋する少年・西村たとえ役は、ジャニーズ Jr.内グループ HiHi Jetsメンバーの作間龍斗。クラスに馴染めず目立たないタイプだが、どこか謎めいた少年を演じる。
新藤美雪(芋生悠)
愛の同級生であり、たとえの秘密の恋人・新藤美雪役は、『ソワレ』で主演を務めた芋生悠が担当する。
そのほか3人を取り巻く登場人物たちは、下記の配役となっている。
<登場人物/キャスト>
・愛の担任・岡野屋役…山本浩司
・国語教諭・藤谷役…河井青葉
・養護教諭の守屋役…木下あかり
・愛の母・木村頼子役…板谷由夏
・美雪の母・新藤泉役…田中美佐子
・たとえの父・西村崇役…萩原聖人
主題歌は大森靖子が担当。映画のために大森靖子が書き下ろした新曲「ひらいて」が、物語に彩りを添える。
<大森靖子コメント>
恋がしたいという最悪な感情が、暴発する自分の中の何かを誰かにぶつけてみたいという感情が、世に蔓延る恋愛感情と呼んでいいものなのだろうか?相手も、性別も、自分と他者の境界すら必要なかったり、逆に自分以外の全てが気持ち悪かったり、その全てをひらいて足掻く瞬間は、どんなに無様で、一般的に"失恋"や"修羅場"などと呼ばれる事象であったとして、美しいものだから。恋がしたい、恋がしたい、恋がしたい、最悪。アンバランスにバランスをとってその季節を生き抜いてきたことを映画を見て思い出し、楽曲にしました。編曲はsugarbeans。映画のためだけに、せーので録音しました。
脚本・監督を務めるのは、『また一緒に寝ようね』で、ぴあフィルムフェスティバル 2016 映画ファン賞・審査員特別賞を受賞した新進気鋭の首藤凜。荒々しさと繊細さが共存する少女の姿を、美しくもポップに描いた、青春エンターテイメント作品に仕上げている。
なお原作者の綿矢りさは、映画化について下記の通りコメントしている。
『ひらいて』は炎のように自分も周りも焼きつくしてしまう、激しい性格の女子高生が主人公で、映像にするとどんな風になるか想像もつきませんでした。でも脚本を読ませていただき、主人公の激しさのなかにある揺らぎや、人に出会って少しずつ変わってゆく様子が描かれていて、感動しました。首藤監督の作り上げられた映像作品を観るのが、とても楽しみです。主演の山田杏奈さんが主人公の体当たりの恋をどのように演じられるのかも、想像が膨らみます。
【詳細】
映画『ひらいて』
公開時期:2021年10月22日(金) 全国ロードショー
出演:山田杏奈、作間龍斗、芋生悠、山本浩司、河井青葉、木下あかり、板谷由夏、田中美佐子、萩原聖人
監督・脚本:首藤凜
原作・綿矢りさ『ひらいて』(新潮社文庫刊)
配給:ショウゲート
〈映画『ひらいて』あらすじ〉
高校3年生の愛は、成績優秀、明るくて校内では人気者。そんな彼女は、同じクラスの“たとえ”に片思いをしている。彼はクラスでも目立たず、教室でもひっそりと過ごす地味なタイプの男子。だが寡黙さの中にある聡明さと、どことなく謎めいた影を持つたとえに、愛はずっと惹かれていた。しかし、どこか人と関わりを持つことを避けているようなたとえに、愛はなかなか近づけずにいた。自分だけが彼の魅力を知っていると思っていた。
しかし、彼が学校で誰かからの手紙を大事そうに読んでいる姿を偶然見てしまった事で事態は一変する。「たとえに、恋人がいるのではないかー」その疑惑がぬぐいきれず、愛はある夜、悪友たちと学校に忍び込み、その手紙を盗んでしまう。
手紙の差出人は、糖尿病の持病を抱える地味な少女・美雪。その時、愛は、初めてふたりが密かに付き合っていることを知るのだった。学校内でも目立たない美雪が突如たとえの彼女だと知り、熱い恋心が乱反射する。そして自らの気持ちを隠して美雪に近づいていく愛。そこから愛と美雪、たとえの関係は思いもよらぬ方向へ・・・。