特別展「フランソワ・ポンポン展」が、愛知の名古屋市美術館にて、2021年9月18日(土)から11月14日(日)まで開催される。その後、群馬、千葉ほかを巡回予定だ。
フランソワ・ポンポンは、20世紀初頭のアール・デコ期に人気を集めた動物彫刻家だ。なかでも、オルセー美術館にある実物大の巨大彫刻《シロクマ》でよく知られるが、そのほかにも多彩な動物をモデルに、シンプルでなめらかな造形の彫刻を数多く手がけた。
特別展「フランソワ・ポンポン展」は、ポンポンの制作の全貌を紹介する回顧展。初期作品から、晩年の代表作《シロクマ》を生みだして評価を得るまでの足跡を、約90点の作品からたどる。
ポンポンが彫刻家としての名声を確立したのは、1922年、67歳の時。長さ2.5mの石膏彫刻《シロクマ》をサロンに出品し、しなやかで力強い生命感と堂々とした安定感を持ったこの作品が高く評価されたのだった。本展では、愛好者向けに作られた卓上サイズの《シロクマ》を目にすることができる。
《シロクマ》で注目を浴びたポンポンではあるが、鳩や猫、犬などの身近な動物から、豚や牛といった家畜、そしてヒグマやキリンなどの動物園で目にすることが多い異国の動物まで、その生態の仔細な観察に基づいて、彫刻を制作した。
本展では、初期作品から、動物の観察から生まれた《牝豚》や《鳩「ニコラ」》、細部をそぎ落としてなめらかな造形で作られた《ワシミミズク》や《ヒグマ》、《キリン》といった彫刻まで、多彩な動物彫刻を目にすることができる。
ポンポンの彫刻作品は、写実的な表現が主流であった従来の動物彫刻とはまったく異なり、シンプルな造形に基づく点で革新的なものであった。本展でも、かたちの単純化と様式化が際立ち、ポンポンの作品のなかでも20世紀の抽象彫刻にもっとも接近した作例を目にすることができる。
特別展「フランソワ・ポンポン展」
会期: 2021年9月18日(土)~11月14日(日)
会場:名古屋市美術館
住所:愛知県名古屋市中区栄2-17-25
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜日(9月20日(月・祝)は開館)、9月21日(火)
観覧料:一般 1,600円(1,400円)、高校・大学生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※障害のある方、難病患者の方は、手帳または受給者証の提示により、本人と付添者2名まで当日料金の半額で観覧可
※障害者等割引券(取り扱いはチケットぴあのみ)の購入者は、当日受付で証明(障害者手帳など)を提示のこと
※名古屋市交通局発行の「ドニチエコきっぷ」「一日乗車券」を当日利用した来館者は100円割引
※「名古屋市美術館常設展定期観覧券」の提示で当日券から200円割引
※いずれもほかの割引との併用不可
※「フランソワ・ポンポン展」の観覧券で常設展も観覧可
■巡回情報
・群馬県立館林美術館
会期:2021年11月23日(火・祝)〜2022年1月26日(水)
住所:群馬県館林市日向町2003
・佐倉市立美術館
会期:2022年2月3日(木)〜3月29日(火)
住所:千葉県佐倉市新町210
・山梨県立美術館
会期:2022年4月16日(土)~6月12日(日)
住所:山梨県甲府市貢川1-4-27
■終了した会場
・京都市京セラ美術館
会期:2021年7月10日(土)〜9月5日(日)
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
【問い合わせ先】
名古屋市美術館
TEL:052-212-0001