サスクワァッチファブリックス(Sasquatchfabrix.)は2021-22年秋冬コレクションを発表した。
サスクワァッチファブリックスが2021-2022年秋冬コレクションを制作するにあたり考えたのが、日本の哲学者・西田幾多郎の“絶対矛盾的自己同一”という思想。“一見相対し矛盾する物事は実は同じ物事である”ということを示した非常に難解な概念を、サスクワァッチファブリックスなりに解釈し名付けたテーマは“A-I-DA”(あいだ)。相対するもの、矛盾するもの、2つの事項の中間を示すようなモチーフを洋服たちに散りばめた。
分かり易く“A-I-DA”を表現したディテールとなるのが、ボディの中間地点で止まるハーフジップや線分の中点を示したかのようなステッチデザイン。ハーフ丈の身頃によるオープンカラーのシャツや、半身で色が変わるバイカラーのパーカーなどもその好例だ。
線分の中点を示したかのようなステッチデザインは、実は子供の着物の背中に縫い付ける古来の魔除け“背守り”から着想し、アイテムの背面にも配置されている。今季のテーマとサスクワァッチファブリックスが継続して取り入れる日本の伝統要素をミックスした、アイコニックなポイントとなっている。
アイテム自体は1950年代から1970年代のイメージを軸にラインナップ。コーデュロイのランチコートやボア素材の半纏、着物襟のスタジャンなど、レトロなムードを纏いつつもサスクワァッチファブリックスらしい捻りを効かせた新鮮なピースが揃う。
また、さり気なく散りばめられたラスタカラーもポイント。“ラスタファリ”という思想のシンボルであるライオンをモチーフにしたグラフィックを頻繁に用いるサスクワァッチファブリックスならではの色の遊びが反映されている。
さらに、セットアップやボアアイテムに用いられた目を惹く独特な柄もコレクションに華を添える。手作業で注染することで生み出した総柄のジャケットなど、インパクトのある柄で彩られたアウターが揃う。