ノブユキ マツイ(Nobuyuki Matsui)の2022年春夏コレクションが、2021年9月1日(水)に発表された。
今シーズンのノブユキ マツイは、ブランドの核にあるテーラードをベースにおきながら、春の匂いが香り立つ穏やかなピースを展開。「Through the curtain」をテーマに据え、カーテン越しに感じる日差しの心地よさや、カーテンを通じて見る世界の曖昧な美しさに着想し、コレクションを作り上げている。
メインテキスタイルは、カーテンからインスピレーションを得たホワイトのレース。テーラードジャケットやガウンコート、ベスト、シャツなど、あらゆるアイテムを繊細なレースで仕立てている。レースのシャツやトップスは、アウターなどとレイヤードする形で提案されており、その様子もどこか二重にして天井から吊るされた布地の面影を感じさせる。
素肌を連想させる透け感のあるレースが、春らしい軽やかなムードを運んできているのは言うまでもないが、穏やかなカラーパレットもまた、今季のクリエーションを心地よいものにしている。淡いグレーのデニムパンツや、ライトベージュのジャケット、ネイビーのニットカーディガンが、テーラードを主軸とするコレクションを、気負わぬコンフォートなムードへと導いている。
境目を曖昧にするカーテンからイマジネーションを膨らませ、人々の間にある境界線を取り払うようなアプローチも試みた。ランウェイにウィメンズモデルを登場させ、あくまでもメンズウェアとしてではあるが、ジェンダーレスなスタイルを提示している。
また、コーディネートも多種多様な人に、自由に臆することなく楽しんでほしい。そんな思いから、ジレのようなパーツを時にはジャケットの中に差し込み、時にはロングコートの上から重ねるなど、同一のアイテムをさまざまなスタイリングで提案した。
なお、今シーズンのショーは、ノブユキ マツイのアトリエにゲストを招き入れる形で開催。アトリエの天井はコレクションで使用された生地の切れ端で覆い、会場に装飾したカーテンには生産工程でB品として廃棄処理処分される予定だったシーチングを使用した。