大分県立美術館では、展覧会「2021コレクション展IV 池田栄廣生誕120年・吉村益信没後10年 革新と前衛の美術」を、2021年12月24日(金)から2022年2月14日(月)まで開催する。
「2021コレクション展IV 池田栄廣生誕120年・吉村益信没後10年 革新と前衛の美術」では、大分県ゆかりの作家を中心に、既成の概念や形式に囚われず、革新的、前衛的な表現を追求した美術を紹介。とりわけ、戦後日本の前衛芸術グループ「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」を結成した吉村益信(よしむら ますのぶ)や、池田栄廣(いけだ えいこう)をはじめとする戦後日本画の動向に光をあてる。
吉村益信は、1960年にネオ・ダダイズム・オルガナイザーズを結成して美術界に大きなインパクトを与えたのち、渡米を経て、ネオン管や最新のテクノロジーを用いたライトアート作品を発表するなど、ジャンルを横断して実験的な創作活動を行った。1968年には《反物質;ライト・オ ン・メビウス》を発表して高い評価を獲得、1970年の大阪万博では多数のパヴィリオンに関わり、現代美術家としての地位を確立した。
本展では、《Neon Cloud-Neon ネオン雲》や《反物質;ライト・オン・メビウス》といった代表的な作品を展示。加えて、吉村が晩年に過ごした神奈川・秦野のアトリエに遺された作品や資料を交えつつ、1960年代から70年代にかけての吉村の活動を紹介する。
一方で池田栄廣は、呉市に生まれ、別府でタクシー運転手をしていたものの、日本画家・堂本印象との出会いを契機に画家を志して京都に出た。堂本の画塾で頭角を現した栄廣は、1927年の帝展において《犬》が初入選、以後も洋犬を主題に帝展で入選を重ねている。戦後は1946年の日展で《寒菊》が特選となるも、その後は院展に活動の場を移し、人物や動植物を独特の視点で捉えた日本画を残した。
会場では、栄廣が主に画業初期に取り組んだ洋犬をテーマとする《洋犬と初夏の園(仮題)》などの動物画や、《寒菊》に代表される情緒豊かな植物画、そして画業の充実期に描かれた《染彩繍》などにみる斬新な人物表現などに着目し、栄廣の作品を展示する。
そのほか、宇佐市出身の田口壮(たぐち さかん)、大分市出身の髙山辰雄(たかやま たつお)、朝地出年身の朝倉文夫を父にもつ朝倉摂(あさくら せつ)など、戦前から戦後にかけて伝統の革新を試みた日本画家の動向もあわせて紹介する。
展覧会「2021コレクション展IV 池田栄廣生誕120年・吉村益信没後10年 革新と前衛の美術」
会期:2021年12月24日(金)〜2022年2月14日(月) 会期中に展示替えを実施
[前期 12月24日(金)〜1月18日(火) / 後期 1月20日(木)〜2月14日(月)]
会場:大分県立美術館 3階 コレクション展示室
住所:大分県大分市寿町2-1
開館時間:10:00〜19:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場は閉館30分前まで
休展日:1月19日(水)
観覧料:一般 300円(250円)、大学・高校生 200円(150円)、中学生以下 無料
※( )内は有料入場20名以上の団体料金
※大分県芸術文化友の会 びびKOTOBUKI無料(同伴者1名半額)、TAKASAGO無料、UME団体料金
※高校生は土曜日に観覧する場合は無料
※障がい者手帳などの提示者とその付添者(1名)は無料
※学生は入場の際に学生証を提示
※開催中の企画展半券提示により、1枚につき1回無料
【問い合わせ先】
大分県立美術館
TEL:097-533-4500