黒澤明監督の名作映画『生きる』をリメイクした映画『生きる LIVING』が、2023年3月31日(金)に公開される。第80回ゴールデン・グローブ賞、第95回アカデミー賞では、ビル・ナイが主演男優賞にノミネート。
1952年に公開された映画『生きる』は、還暦直前に余命半年を告げられた役人が、人生を見つめなおす姿を描いた黒澤明監督の代表作。リメイク版の映画『生きる LIVING』では、第二次世界大戦後のイギリスを舞台にストーリーを展開する。
『生きる LIVING』の主人公、ウィリアムズは、仕事一筋で空虚で無意味な毎日を送る中、余命幾ばくも無いことを宣告される。最期を知り、残された日々を大切に過ごしたい……、そう願うようになるウィリアムズ。それまでの自分の人生を振り返り、「生きることなく、人生を終えたくない」と静かに、しかし心の中は懸命に、熱く生きることを選んだウィリアムズの姿を描き出す。
劇中には、黒澤明の『生きる』に登場する名シーンを彷彿させる、誰もいない公園での“ブランコ”シーンも。観るものの心に光を灯すような、感動の物語が紡がれる。
ノーベル賞作家カズオ・イシグロが再構築
リメイク版の脚本を手掛けたのは、小説『わたしを離さないで』などで知られるノーベル賞作家カズオ・イシグロ。監督はオリヴァー・ハーマナスが務める。
主演は、『ラブ・アクチュアリー』『ナターシャの歌に』などで知られ、ジョニー・デップ製作・主演作品『MINAMATA-ミナマタ-』への出演も記憶にあたらしいビル・ナイ。
■主人公ウィリアムズ…ビル・ナイ
役所の市民課に勤める公務員。ピンストライプのスーツに身を包み、 ボーラーハットを目深に被った“お堅い”ジェントルマン。部下に煙たがられながらも事務処理に追われる毎日を過ごす。それはとても空虚な日々だった。そんなある日「余命半年」であると宣告される。余命宣告を受け、自分の人生を見つめ直す。仕事を放棄し、リゾートで酒を飲んだりしてみるが…結局しっくりこない。そんな中、病魔が彼の身体を...。
■マーガレット…エイミー・ルー・ウッド
ウィリアムズのもとでかつて働いていた同僚。社会で自分の力を試そうとバイタリティに溢れる女性。マーガレットとの存在がウィリアムズを変えていく。
マーガレットを演じるのは、Netflix作品「セックス・エデュケーション」のエイミー・ルー・ウッド。その他、『生きる LIVING』には、『パーティで女の子に話しかけるには』のアレックス・シャープ、トム・バークなどが出演する。
第80回ゴールデン・グローブ賞にて、主演のビル・ナイが主演男優賞(ドラマ部門)にノミネート。また、た英国アカデミー映画賞も、英国作品賞、主演俳優賞、脚色賞、新人賞(エイミー・ルー・ウッド)と4部門にノミネート。
第95回アカデミー賞では、主演男優賞にビル・ナイ、脚色賞にカズオ・イシグロがノミネートされた。
1953年。第二次世界大戦後、いまだ復興途上のロンドン。公務員のウィリアムズは、今日も同じ列車の同じ車両で通勤する。家では孤独を感じ、自分の人生を空虚で無意味なものだと感じていた。
そんなある日、彼は医者から癌であることを宣告され、余命半年であることを知る。歯車でしかなかった日々に別れを告げ、自分の人生を見つめ直し始める。手遅れになる前に充実した人生を手に入れようと。
バカ騒ぎするなど色々やってみたもののしっくりこずロンドンに戻るウィリアムズ。かつて彼の下で働いていたマーガレットに再会する。そんな彼女に惹かれ、ささやかな時間を過ごすうちに、彼はまるで啓示を受けたかのように新しい一歩を踏み出すことを決意。その一歩は、やがて無関心だったまわりの人々をも変えることになる。
作品詳細
映画『生きる LIVING』
公開時期:2023年3月31日(金)
出演:ビル・ナイ、エイミー・ルー・ウッド、アレックス・シャープ、トム・バーク
原作:黒澤明監督作品『生きる』
監督:オリヴァー・ハーマナス
脚本:カズオ・イシグロ
音楽:エミリー・レヴィネイズ・ファルーシュ
製作:Number 9 Films