展覧会「ニッポンの油絵─近現代美術をかたち作ったもの─」が、和歌山県立近代美術館にて、2022年11月12日(土)から12月25日(日)まで開催される。
「ニッポンの油絵─近現代美術をかたち作ったもの─」展は、日本の近現代美術史において重要な位置を占める「油絵」に着目する展覧会だ。
西洋からもたらされた油絵は、今の日本では広く知られた技法となっている。しかし、油絵が日本に浸透したのは、近代化を推し進める明治期にあって、油絵が「美術」というよりむしろ「技術」として美術学校で教えられ、展覧会といった発表の場が設けられるようになってからであった。油絵の表現は、その背後に西洋のものの見方や新しい思潮を持っており、それらの憧れや共感とともに日本の若い画家たちを魅了したのであった。
本展では、ひとりひとりの画家がどのように油絵と出会い、油絵によって学び、表現する者として成長していったのかを、作品を通して紹介。画家たちの関心は海外の表現に向かうばかりでなく、翻って日本美術とは何であるのかを問うことにも繋がったのだった。
また、本展では、油絵具の素材としての特徴にも着目。油絵具は独特の艶と透明感を持ち、筆触や盛り上げを残すこともできる強い物質性を特徴としている。新しい画材が数多く開発された現代にあっても、絵具の層を重ねて表現する深み、あるいは徐々に固まってゆく絵具の性質を活かした表現など、独自の存在感を保っている。
会場ではこうした視点から、和歌山県立近代美術館のコレクションを中心に、鹿子木孟郎や岸田劉生、佐伯祐三、白髪一雄、辰野登恵子、そして神中糸子をはじめとする和歌山ゆかりの作家による約100点の作品を紹介する。
展覧会「ニッポンの油絵─近現代美術をかたち作ったもの─」
会期:2022年11月12日(土)〜12月25日(日)
会場:和歌山県立近代美術館 2階展示室
住所:和歌山県和歌山市吹上1-4-14
開館時間:9:30〜17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般 520円(410円)、大学生 300円(260円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下、65歳以上、障害者、県内に在学中の外国人留学生は無料
※11月19日(土)・20日(日)は「関西文化の日」として入館無料
※11月22日(火)は「和歌山県ふるさと誕生日」として入館無料
※毎月第4土曜日(11月26日、12月24日) は「紀陽文化財団の日」として大学生無料
※毎月第1日曜日(12月4日)は入館無料
【問い合わせ先】
和歌山県立近代美術館
TEL:073-436-8690