特別展「大和の美 ~古都を彩った絵師たちの競演」が、奈良県立美術館にて、2025年1月18日(土)から3月9日(日)まで開催される。
奈良の文化や芸術というと、神社仏閣や仏像を思い浮かべやすいものの、この地では数多くの画家が活躍してきた。特別展「大和の美 ~古都を彩った絵師たちの競演」は、通覧されることの少ない奈良の絵画の展開を概観し、その特質に光をあてる展覧会だ。
かつて「大和」と呼ばれた奈良は、古都、そして数多くの寺社を擁する地として、古代から中世にかけて重要な役割を担ってきた。こうしたなか、中世の奈良においては、信仰を中心とする寺社の文化を支える絵師が活躍した。
江戸時代に入ると、武家社会のなかで文化活動が展開され、奈良ならではの美術工芸が発達。名所旧跡には、書画を能くする文化人が訪れ、美術の格好の題材として取り上げている。そして近代には、こうした伝統を受け継ぐ一方、西洋の絵画技法を取り入れた洋画がもたらされ、奈良は美術家を触発する源泉となっていったのだ。
本展では、中世から現代まで、奈良ゆかりの絵画作品を紹介。春日大社草創伝説を描いた二条英印(にじょう えいいん)の《鹿島立神影図》、日本の前衛美術運動の先駆者・普門暁(ふもん ぎょう)の代表作《鹿、青春、光り、交叉》、美人画の巨匠・上村松園による《春宵》などを目にすることができる。
また、奈良における最初期の洋画家・大村長府(おおむら ちょうふ)の特集展示も。大村は、精緻な描写による寺社の祭礼図などを手がける一方、自然の神秘を捉えた風景画も制作している。会場では、家族の肖像を写実的に描いた《家族団欒図》などの作品を通して、大村の画業を紹介する。
特別展「大和の美 ~古都を彩った絵師たちの競演」
会期:2025年1月18日(土)〜3月9日(日) 会期中に展示替えあり
[前期 1月18日(土)〜2月9日(日) / 後期 2月11日(火)〜3月9日(日)]
会場:奈良県立美術館
住所:奈良県奈良市登大路町10-6
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(2月24日(月・振)、3月3日(月)は開館)、2月25日(火)
観覧料:一般 800円(600円)、高校・大学生 600円(400円)、小・中学生 400円(200円)
※( )内は20名以上の団体料金
※障がい者手帳など(アプリ含む)の所持者および介助者1人は無料
【問い合わせ先】
奈良県立美術館
TEL:0742-23-3968