イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の没後日本初となる大回顧展「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」が、東京・六本木の国立新美術館にて、2023年9月20日(水)から12月11日(月)まで開催される。
20世紀を代表するファッションデザイナーのひとりであり、「モードの帝王」と呼ばれたイヴ・サンローラン。1936年に生まれたイヴ・サンローランは、1958年、クリスチャン・ディオールの急死を受けて「クリスチャン ディオール」のデザイナーとして鮮やかにデビュー、1962年からは自身のブランド「イヴ・サンローラン」を立ち上げ、2002年の引退まで活動を続けた。
約40年にわたるその活動を通して、イヴ・サンローランはさまざまな文化や歴史に触発されつつ、女性の装いに新しい息吹を吹き込んだ。たとえば1965年には、ピート・モンドリアンの幾何学的な抽象絵画に着想したモンドリアン・ルックを発表、そして1966年には男性のタキシードをもとに女性用のスーツを提案している。
「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」は、イヴ・サンローラン美術館パリの協力のもとで開催される、サンローランの回顧展。ディオールでのデビューから、ブランドとして初のコレクション、そして独自のスタイルを確立するに至るまでの軌跡を、オートクチュールのルック110体、アクセサリー、ドローイング、そして写真など、約300点を一堂に集めて紹介する。
サンローランの業績のひとつが、1960年代当時、いまだ男性のものという認識が根強かったパンツスタイルを積極的に女性服に取り入れるなど、衣服が有するジェンダーのイメージを超えてデザインを手がけた点だ。その例に、タキシードやジャンプスーツ、サファリ・ルック、トレンチコートなどを挙げることができる。彼は、紳士服の洗練されたカッティング、快適な着心地や実用面を踏まえつつ、エレガントな女性のシルエットを生みだしたのだった。
こうしたデザインは、 女性解放運動が興隆した当時の潮流と呼応するものであったようだ。また、サンローランは元来オートクチュールに携わっていたものの、1966年にはプレタポルテ(既製服)の領域へと参入したこともあり、彼が提案したスタイルは急速に人びとのあいだに浸透してゆくこととなる。本展では、現在の女性服にまで続く、サンローランの代表作の数々を紹介する。
モンドリアン・ルックに代表されるように、サンローランは芸術との関わりのもとでもファッションデザインを手がけた。カトリーヌ・ドヌーヴ主演の映画『昼顔』やジャン・コクトーの演 劇『双頭の鷲』など、演劇やバレエといった舞台芸術、映画の衣装製作も、こうした仕事の例である。会場では、芸術作品から着想を得たサンローランの作品も目にすることができる。
企画展「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」
会期:2023年9月20日(水)~12月11日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:火曜日
観覧料:一般 2,300円(2,100円)、大学生 1,500円(1,300円)、高校生 900円(700円)、中学生以下 無料
※( )内は前売料金(前売券は8月17日(木)より販売)
※障害者手帳の持参者(付添者1名含む)は入場無料
※10月7日(土)~9日(月・祝)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)
※最新情報については展覧会ホームページを確認のこと
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)