舞台は、パリの中心地・セーヌ川に浮かぶ木造建築の船。ユニークなデイケアセンター<アダマン号>。精神疾患のある人々を迎え入れ、文化活動を通じて彼らの支えとなる時間と空間を提供し、社会と再びつながりを持てるようサポートをしている。運営するのは、精神科医療の世界で起こる“質の低下”や“非人間化”の波にできる限り抵抗しようとするチームだ。患者もスタッフも区別なく、誰しもにとって生き生きと魅力的なこの場所を、監督は「奇跡」だという。
映画『アダマン号に乗って』は、第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で最高賞「金熊賞」に輝いたドキュメンタリー映画。監督を務めたのは、現代ドキュメンタリーの名匠、ニコラ・フィリベール。パリ・セーヌ川に浮かぶデイケアセンター「アダマン号」にやってくる患者と彼らをサポートするスタッフたちを、優しい眼差しで捉え続けた作品だ。