女優で臨床心理学者でもあるアントーニア・ギーセンは、謎の幻聴に悩まされるゲーム好きの患者の訪問を受ける。彼の話を友人の映画監督レオン&コシーニャにすると、2人はその幻聴は実在したチリの外交官にして詩人、そしてヒトラーの信奉者でもあったミゲル・セラーノの言葉であることに気づき、これを元にアントの主演映画を撮ろうと提案する。
2人に言われるがまま、セラーノの人生を振り返る映画の撮影を始めるアントだったが、いつしか謎の階層に迷い込み、チリの政治家ハイメ・グスマンから、国を揺るがすほどの脅威が記録された映画フィルムを探す指令を受ける。カギとなる名前は”メタルヘッド”。探索を始めるアントだったが、やがて絶対の危機が彼女を待ち受ける……!
映画『ハイパーボリア人』は、2023年にヒットしたストップモーション・アニメ映画『オオカミの家』のクリストバル・レオンとホアキン・コシーニャが監督を務める作品。チリに実在した文化人や政治家のほか、主演のアントーニア・ギーセンや監督2人が実名で登場するなど、現実と虚構、過去と現在の境界を曖昧にした演出が特徴だ。実写のほか影絵やアニメ、人形などあらゆる要素が混在する映画となっている。