「水の都」として知られる美しい都市・オランダのアムステルダム。この街は第二次世界大戦中、ナチス占領下で恐怖の時代を経験した。5年間の占領で多くの人々が犠牲となり、特にユダヤ人10万7千人が強制収容所へ送られ、そのうち10万2千人が虐殺された。
映画『それでも夜は明ける』の監督スティーヴ・マックイーンは、妻・ビアンカ・スティグターの著作「Atlas of an Occupied City (Amsterdam 1940-1945)」を基に、この悲劇を描いた4時間11分のドキュメンタリーを完成させた。35mmフィルムでアムステルダムの130ヶ所を撮影し、記憶を生々しく蘇らせる手法を採用。美しい街並みが隠す虐殺の歴史を明らかにし、過去と現在の隔たりを超える作品となった。