実際に作品を鑑賞される前と後で、仮面ライダーのキャラクター象に変化はありましたか?
池松:もちろんありますよ。特に今回、普段自分でコントロールできる範囲の役を積んでいくという作業がなく、もの凄い量のあらゆる素材からパズルのように積み上げてキャラクターが出来上がっていく感覚でした。自分が想定していたよりもさらにくっきりと令和のシン・仮面ライダーが生み出されていた感覚です。あの本郷がこの映画のテーマやトーン、エモーションを捉えていて、普段とはもうひとつ引いた目で面白いと思うことが出来ました。
柄本:池松さんご自身も、役作りに対して本当ストイックなんですよ。今でも覚えているんですけど、池松さんが仮面を外した瞬間、その素顔まで仮面ライダーの仮面の顔にそっくりだった…!それくらい真正面から役柄に挑んでいる方と現場を共にすることができて、幸運だったなと感じます。
そこまで役柄を貫いていらっしゃったんですね。それぞれ過酷な現場もあったと思いますが、撮影中は何が一番モチベーションに繋がりましたか?
池松:ひとえにこの作品の持つ可能性と、仮面ライダーを喜んでくれるスタッフ、それから応援してくれる自分の周りの人たちの声と熱がモチベーションでした。
柄本:それはもう皆に共通しているモチベーションかもしれないですよね。とにかく出来上がりを見たい!自分がブレている場合じゃない!と。
浜辺:振り返ってみると、撮影中からあんなに注目された映画っては、私は初めてかもしれないです。色んな人の期待や想いに応えられるように、自然と気持ちもグッと引き締まる。あとは私自身が仮面ライダーファンなので、純粋に現場でライダーたちに会える喜びも大きかったですね!
最後に、今回の出演にあたって、仮面ライダーに夢中になっていた当時の自分に伝えたいことは?
浜辺:当時、テレビや映画の中の延長線上でも、私にとってのヒーローがいてくれるだけで、凄く勇気をもらって救われていたんですけど…。実際にこうしてヒーローのお二人と現場を共にして、やっぱり仮面ライダーは私にとってのヒーローだったよって伝えてあげたいですね。私がそうだったように、この映画を観て誰かの気持ちを救ってあげることが出来たらいいなと思います。
柄本:質問なんでしたっけ…?
池松:かつて仮面ライダーに憧れた柄本佑少年に、今言葉をかけるとしたら?です(笑)
柄本:いやー。それ、やばくね…?って。(笑)いや、マジで。本当にアホみたいですけどリアルにそうですよね(笑)“子供時代の自分に”という質問ですが、柄本佑少年は割と中身が変わらず今ここにいるので…。純粋に僕の中の少年が「スゲー!」と叫んでいる。そんな世界線もあったんだ!という、不思議な気持ちでいっぱいです。
映画『シン・仮面ライダー』
公開日:2023年3月18日(土)全国公開
※3月17日(金)18:00~一部劇場を除き、全国最速公開。
※IMAX、4DX・ドルビーシネマでも上映決定。
原作:石ノ森章太郎
監督・脚本:庵野秀明
出演:池松壮亮、浜辺美波、柄本佑、西野七瀬、本郷奏多、塚本晋也、手塚とおる、松尾スズキ、仲村トオル、安田顕、市川実日子、松坂桃李、大森南朋、竹野内豊、斎藤工、森山未來
デザイン:前田真宏、山下いくと、出渕裕
配給:東映