展覧会「日本服飾の美」が、東京の文化学園服飾博物館にて、2023年6月17日(土)から8月6日(日)まで開催される。
「日本服飾の美」は、質量ともに優れた文化学園服飾博物館の日本服飾コレクションを紹介する展覧会。宮廷装束、小袖、武家服飾、そして能装束の4種類に着目し、着物の優品を一堂に展示する。
「宮廷装束」は、広袖の衣服を重ね、下衣として袴を着用する点が特徴だ。その装束は、有職織物と呼ばれる紋織物で仕立てられ、目的や年齢などに応じて着用の規則が細かく定められている。本展では、十二単をはじめ、公家の伝統を受け継いだ近代以降の宮廷装束を目にすることができる。
「小袖」とは、今日の「着物」の古い呼び名である。その名称は、袖口が袖丈いっぱいに開いた広袖(大袖)に対して、袖口の開きが小さい着物を指すことによる。会場では、江戸時代の豪商で、近代には財閥として知られた三井家伝来の小袖などを紹介。三井家旧蔵の小袖は、刺繍や絞り染めを巧みに施すことで植物模様などを表現しており、そこに写実性と装飾性の高度な調和を見てとることができる。
武家階級が台頭した鎌倉時代以降には、武家独自の服飾が育まれた。すなわち、無地や型染めを用い、簡素さのなかに潔さを漂わせた様式を確立する一方、戦場では鮮やかな色彩や奇抜な意匠、希少な素材を用いた陣羽織などが着用され、華やかさか競われることになった。本展では、陣羽織といった武家服飾を紹介する。
室町時代に誕生した能は、江戸時代になると幕府の式楽となり、隆盛を極めた。こうしたなかで能装束は、将軍や大名の財力を背景に贅を尽くして手がけられている。会場では、江戸後期から明治時代にかけての近江彦根藩主・井伊家に伝来した能装束を展示する。
展覧会「日本服飾の美」
会期:2023年6月17日(土)~8月6日(日) 前後期で一部展示替えあり
[前期 6月17日(土)~7月8日(土) / 後期 7月10日(月)~8月6日(日)]
会場:文化学園服飾博物館
住所:東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル 1F
開館時間:10:00~16:30
※7月7日(金)・21日(金)は19:00まで開館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:日曜日(6月18日(日)、7月16日(日)・30日(日)、8月6日(日)は開館)、祝日、6月26日
入館料:一般 500円、高校・大学生 300円、小・中学生 200円
※障がい者および付添者1名は無料
【問い合わせ先】
文化学園服飾博物館
TEL:03-3299-2387