ラッド ミュージシャン(LAD MUSICIAN)は、2023年夏コレクションを発表。
「ニヒリズムのその後」=“AFTER NIHILISM”をテーマに据えた2023年サマーシーズン。ジョイ・ディヴィジョンのボーカル、イアン・カーティスにフォーカスしたグラフィックTシャツをはじめ、落ち着いた雰囲気ながらも存在感を放つウェアを展開。巾着型に変形するトートバッグやヴィブラム(Vibram)ソールを配したグルカサンダルといった小物とともに、軽やかに余韻を残していくような夏の装いを提案する。
「ニヒリズム」を表現した“手向け花”の総柄ウェアは、2017年春夏コレクションのアーカイブ柄から、素材やデザインを新たに展開。この世を去った者に花を手向けるという、無意味だがささやかな繋がりを求める行為の美しさを、花々のグラフィックに込めたデザインだ。開襟シャツやセットアップ、Tシャツ、キャップといったアイテムを彩る花々からは、影のある儚さとともにどこか温かみのにじむような表情も感じられる。
また、分量感を持たせたシルエットや生地のドレープを生かしつつも、全体的にシャープな佇まいに見せているのが印象的だ。例えば、ドロップショルダーのハーフスリーブシャツは、ゆったりとした仕立てながらも直線的に落ちる生地の動きやドレープによって凛とした表情に。程よいゆとりを持たせたアンコンジャケットやダンガリーシャツも、研ぎ澄まされたフォルムやミニマルなディテールにより、引き締まった空気感に仕上げている。
身体に連動した立体的なフォルムが、夏に似合う軽快さを生み出している。例えば、身頃に幅を持たせたTシャツや、ケープのような造形のロングシャツは、身にまとうことで身体になじみ、流れるようなシルエットを描き出す。また、ボリュームのあるワイドなカーゴパンツは膝下に脱着ファスナーを走らせ、切り込みを施すことで動きのあるデザインに。ファスナーを開け、スリットを生かして着たり、パーツを外してショートパンツとして着用したりすることもできるようになっている。