映画『ティル』が2023年12月15日(金)に公開される。
映画『ティル』は、1955年8月28日にアメリカ合衆国ミシシッピ州マネーで実際に起きた「エメット・ティル殺害事件」を初めて劇映画化した作品。アフリカ系アメリカ人による公民権運動を大きく前進させるきっかけとなった事件をベースにした、息子を愛する一人の母親の愛と正義の物語だ。
そもそも「エメット・ティル殺害事件」とは、14歳の黒人少年・エメットが白人女性に対して「口笛を吹いた」という理由で拉致され、激しいリンチを受けて殺されたあげく、遺体は川に投げ捨てられた……という衝撃的な事件。愛する息子を失うという底知れぬ絶望に直面したエメットの母・エイミーは、多くの黒人の生活を脅かす当時のアメリカ社会においてたった一人で立ち向かうのだった。
その大胆な行動力は人々に勇気を与え、キング牧師らが率いた公民権運動を一気に加速させる原動力にも。そして21世紀に入り、白人警官が路上で黒人男性の首を9分29秒間、膝で押さえつけ死亡させた2020年の事件「ジョージ・フロイド殺害事件」を契機に、アフリカ系アメリカ人コミュニティから始まった社会運動「BLM(ブラック・ライヴズ・マター)運動」がアメリカ国内のみならず、SNSを通じて日本を含む全世界に拡大。
多くの人々が声を上げたこの大規模な抗議運動は、2022年3月に成立された、人種差別に基づくリンチを連邦法の憎悪犯罪(ヘイトクライム)とする「エメット・ティル反リンチ法」へと繋がっていくのであった。
そんな「エメット・ティル殺害事件」をベースにした映画『ティル』の製作には、黒人俳優として世界的な人気を誇る『天使にラブ・ソングを…』のウーピー・ゴールドバーグや、『007』シリーズのスタッフなど一流陣が集結。キャストには、本作でゴッサム・インディペンデント映画賞やナショナル・ボード・オブ・レビュー、サテライト賞など数々の映画賞で女優賞を総なめにしたダニエル・デッドワイラーをはじめ、ジェイリン・ホール、ヘイリー・ベネットらが名を連ねる。
メイミー・ティル…ダニエル・デッドワイラー
夫が戦死して以来、空軍で唯一の黒人女性職員として働いている。一人息子を陰惨な事件で失うまで、平穏な日々を送っていた。
エメット・ティル…ジェイリン・ホール
14歳の青年。愛称ボボ。初めて生まれ故郷を離れ、ミシシッピ州マネーの親戚宅を訪れた際に悲劇が起こる。
キャロリン…ヘイリー・ベネット
エメットが旅先の飲食雑貨店で出会う白人女性。
舞台は1955年、イリノイ州シカゴ。空軍で唯一の黒人女性職員として働くメイミー・ティルは、一人息子のエメットと穏やかな日々を送っていた。そんなある日、エメットが初めて生まれ故郷を離れ、ミシシッピ州マネーの親戚宅を訪れた際に悲劇は起こる。
エメットが飲食雑貨店で白人女性キャロリンに向けて「口笛を吹いた」ことで白人の怒りを買ってしまったのだ。そして1955年8月28日、彼は白人集団にさらわれ、壮絶なリンチを受けた末に殺されて川に投げ捨てられてしまう。我が息子の変わり果てた姿と対面したメイミーは、この陰惨な事件を世に知らしめるため、常識では考えられないある大胆な行動に出る……。
【作品詳細】
映画『ティル』
公開日:2023年12月15日(金)
製作:ウーピー・ゴールドバーグ、バーバラ・ブロッコリ
監督・脚本:シノニエ・チュクウ
出演:ダニエル・デッドワイラー、ウーピー・ゴールドバーグ、ジェイリン・ホール、ショーン・パトリック・トーマス、ジョン・ダグラス・トンプソン、ヘイリー・ベネット
配給:パルコ ユニバーサル映画
© 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.