企画展「翻訳できない わたしの言葉」が、東京都現代美術館にて、2024年4月18日(木)から7月7日(日)まで開催される。
誰もが同じ言語を用いているように思われる社会においても、そこでは異なる言語が使われるばかりでなく、ひとつの言語の中にも方言や世代などによる違いが存在している。また、やりとりをする場や相手に応じて、複数の言語を使うこともある。ある人を知ろうとすることは、いわばその人を織りなす「わたしの言葉」を、別の言葉に置き換えることなく、そのまま受け取ろうと試みることから始まるのだといえる。
企画展「翻訳できない わたしの言葉」は、「言葉」をテーマに、5人の現代アーティストを紹介する展覧会だ。多様な言語のあり方、話すという行為やその権利に着目しつつ、会話の様子を捉えた映像作品などを展示する。
本展では、ユニ・ホン・シャープ、マユンキキ、南雲麻衣、新井英夫、金仁淑の5人の作品を紹介。たとえば、フランスと日本を拠点に活動するユニ・ホン・シャープは、アイデンティティの不安定さと多重性、記憶の持続に着目し、身体や言語、声、振付を通して、その新しい語り方を探ってきた。本展では、「Je crée une œuvre (私は作品を作る)」というフランス語の発音を、フランス語を第一言語としている長女に訂正してもらう様子を描いた映像作品《RÉPÈTE》を展示する。
また、アイヌであるマユンキキは、現代におけるアイヌの存在を個人の視点から捉え、自身を紡ぎだすもの、人々や言葉を丁寧に提示することを試みている。会場では、第一言語になりえたかもしれない言語を改めて学ぶことについて、写真家・金サジと対話する映像、その対となるものとして、自身が話す言語を自ら選択することの意義について対話を行う映像などを紹介する。
さらに、ソウルと東京を拠点に活動を行う金仁淑は、恵比寿映像祭2023の「コミッション・プロジェクト」展示に出品した映像インスタレーション《Eyeto Eye》を、2024年版にバージョンアップ。滋賀県にあるブラジル人学校に通う子どもたちとコミュニケーションを重ねて制作し、等身大のスクリーンに投影した作品を展示する。
企画展「翻訳できない わたしの言葉」
会期:2024年4月18日(木)~7月7日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F
住所:東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
開館時間:10:00〜18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(4月29日(月・祝)、5月6日(月・振)は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
観覧料:一般 1,400円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,000円、中学・高校生 600円、小学生以下 無料
■参加作家
ユニ・ホン・シャープ、マユンキキ、南雲麻衣、新井英夫、金仁淑
■同時期開催
・展覧会「サエボーグ『I WAS MADE FOR LOVING YOU』/津田道子『Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる』 Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展」
会期:2024年3月30日(土)〜7月7日(日)
・コレクション展「MOTコレクション 歩く、赴く、移動する 1923→2020/Eye to Eye─見ること」
会期:2024年4月6日(土)〜7月7日(日)
・企画展「ホー・ツーニェン エージェントのA」
会期:2024年4月6日(土)〜7月7日(日)
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)