吉村昭の時代小説「雪の花」を実写化した映画『雪の花 ーともに在りてー』が、2025年1月24日(金)に公開される。主演は松坂桃李。
1988年に出版された吉村昭による小説「雪の花」は、江戸時代末期を舞台に、数年ごとに大流行して多くの人命を奪う疫病である疱瘡(天然痘)と闘った1人の町医者の実話を描いた作品だ。無私の精神で、天然痘に震える人々を救おうと立ち上がった男の、愛と感動の物語となっている。
主人公・笠原良策を演じるのは、『孤狼の血』、『流浪の月』、『ゆとりですがなにか インターナショナル』の松坂桃李。『真田十勇士』や『居眠り磐音』以来の時代劇への挑戦となる。また、『累-かさね-』、『散り椿』、『カラオケ行こ!』などの芳根京子が主人公の妻を演じ、松坂とは『孤狼の血』、『すばらしき世界』、『日本のいちばん長い日』など5度目の共演となる役所広司が良策を導く蘭方医を演じる。
笠原良策…松坂桃李
江戸時代に実在した福井藩の町医者。人命を奪う疫病の危機に対し、予防法成功のため奮闘した人物。努力を積み重ね、勇気を持ち、己を捨てて誠実に働く。疫病の治療法を求め京都の蘭方医・日野鼎哉の教えを請おうと福井から京都へ旅に出る。京都で治療法を探し求めていたところ、異国では種痘(予防接種)という方法があると知って種痘の苗を京都から福井に持ち帰ろうとするが、その道中で猛吹雪に襲われてしまう。
笠原千穂…芳根京子
良策の第一の理解者として支える妻。周りを明るく照らす太陽のような性格だが、意外な一面も。
日野鼎哉(ひのていさい)…役所広司
京都の蘭方医。良策の想いに共鳴し、未知の医学に挑み共に闘う。
大武了玄…吉岡秀隆
石川の町医者。疱瘡を治せるかもしれないと良策に伝える蘭方医。
実写映画化にあたりメガホンをとるのは、これまでも数多くの歴史の影に隠れた心魅かれる人物たちを描いてきた小泉堯史。1970年に黒澤プロに参加、巨匠・黒澤明の助監督として、様々な映画製作の手法を学んできた。黒澤の遺作脚本『雨あがる』で監督デビューを果たし、『博士の愛した数式』や『蜩ノ記』、『峠 最後のサムライ』などの作品で知られる。
有効な治療法がなく死に至る病とされた疫病、疱瘡から人々を救うため、私財を投げうち種痘(予防接種)を普及させようと尽力した実在の町医者・笠原良策。疫病の確実な予防が異国から伝わったと知った良策は、京都の蘭方医・日野鼎哉に教えを請い、種痘の苗を福井に持ち込んだ。良策はかつてない予防法成功の為に様々な困難にも諦めず、妻・千穂の支えの中で流行病と闘い続ける。
【作品詳細】
映画『雪の花 ーともに在りてー』
公開日:2025年1月24日(金)
監督:小泉堯史
脚本:齋藤雄仁、小泉堯史
出演:松坂桃李、芳根京子、三浦貴大、宇野祥平、沖原一生、坂東龍汰、三木理紗子、新井美羽、串田和美、矢島健一、渡辺哲、益岡徹、山本學、吉岡秀隆、役所広司
原作:吉村昭「雪の花」(新潮文庫刊)