お互いの役への思い入れも十分感じられます。ご自身が演じた役について、演じるにあたりどのようなことを意識しましたか?
京本:湊人にかんしては、特別な人だと思わないように意識しました。『言えない秘密』をやる前は、癖のある役を割と演じさせてもらってたということもあり。普通の大学生の中の1人として、平凡な日常を過ごす青年みたいな感覚を持つようにしました。ヒーロータイプではないですし、あまり主人公だと思わないようにしていました。
古川:私は湊人に対する思いを1番大事にしようと思って演じました。湊人の存在は雪乃の生きる理由でもありますし。ただ、お互いを思う“思いの強さ”に始めは恐怖すら覚えました(笑)。怖くも感じたけど、その強さがこの物語の良さであり美しさだなと思ったので、湊人を思う強い気持ちは絶対に手放さないようにしようと決意して演技に挑みました。
京本:僕も特にオリジナルを観た時に怖さを感じました。思いの強さももちろんだけど、何より音も怖くて。“どぅんどぅんどぅんどぅん”っていう、ホラー映画みたいな音。ただ、オリジナルは10年以上前の物で、当時アジアですごく話題になった作品でしたし、その当時ならではの斬新な演出だったのかなと思います。
古川:「恋愛映画だと思ってたのに途中でホラー映画になった!?」と驚きましたね。
京本:驚く要素も満載なので、予想のつかない結末になるんじゃないかな。なのでまだオリジナルを観たことがない人は、何の前情報も入れずに『言えない秘密』を観てみてほしいです。きっと驚いてもらえると思うので。
湊人と雪乃のピアノの連弾シーンも『言えない秘密』の見どころの1つ。やはり相当な努力を重ねたそうで、暇を見つけては2人で練習を重ねていたそう。
連弾シーンや自転車の2人乗りなど、劇中には見どころもたくさん。どのようにしてコミュニケーションを取りながら撮影を進めていきましたか?
古川:私も久々にピアノを弾いたのと、京本くんは0からスタートだったので、「できる限り練習しないとな」という意識がありました。ピアノの先生も「左の手と右の手は違う人格だと思った方が良い」とお話されてて、現場でもピアノがある時はとにかく2人で練習を重ねました。
京本:めちゃめちゃ練習しましたね。強く記憶に残っていることがあります。連弾シーンの撮影の日、いつも通り2人で自主練をしていたら、どうしてもうまく行かない瞬間が出てしまう。僕と古川さんの手が自然と同じ鍵盤に指を置いてしまうんです。覚えてる?
※連弾:1台のピアノを2人で演奏すること。
古川:覚えてます、リハーサル中ね(笑)。私が弾いてる場所と同じところに手を置いてくるんですよね、なんでここ置くんだろう、私もここ押したいんだけどな、みたいな(笑)
京本:で、もちろん俺が間違えてた(笑)。
難しくもあったけど、2人で演奏する時は特に落ち着いて弾けました。古川さんがいる安心感というか。1人で演奏するシーンは心細いし緊張感もありますし。
劇中では、湊人の父が営む喫茶店でも連弾しているシーンがありました。ピアノの話とはずれますが、雪乃も喫茶店に居心地の良さを感じていたように、おふたりにとってのエネルギーチャージスポットはありますか?
京本:僕は京都ですかね。1人でも行くし、特に南禅寺が好き。年に最低1回は行ってるくらい、僕にとってのパワースポットです。
元気足りないかもみたいな時に行くのでしょうか?
京本:なんかしんどいなとか、メンタル面で不調を感じた時に「京都行きたいな」って、無意識に思いますね。あと仕事で関西圏に行くことも多いので、そういう時は寄ろうかなって思ったり。常に頭の中に「京都行きたいかも」っていうのがあるので、パッと思いついたりします。行ったら一瞬で気持ちも身体もリセットできるんです。
古川:私は自分の飼ってる猫ですね。猫と触れ合えばすべてがリセットされるというか。唯一秘密がない存在かもしれない。だから、だらしない部分も見られてるし、嫌なことがあったら猫に向かって話し続けるし…愚痴を言ってもニコニコしてるように見えるし、ニャーって鳴きながら聞いてくれるので(笑)。あとはすごくいい匂いがする。飼い主独特の感覚だとは思うんですけど、もうその頭の匂いを嗅いだら癒されてすべてチャラになります!
【作品詳細】
映画『言えない秘密』
公開時期:2024年6月28日(金)
監督:河合勇人
脚本:松田沙也
出演:京本大我、古川琴音、横田真悠、三浦獠太、坂口涼太郎、皆川猿時、西田尚美、尾美としのり
©2024「言えない秘密」製作委員会