あの:ぼくは、MEMちょが言う「ネット上の炎上って、実際に燃やしているのはたった数パーセントのユーザーなんだよ。それ以外は叩くべきか擁護すべきか判断しかねている」というセリフ。みんなが叩いてるから自分も叩こうというような人もすごく多くいるし、攻撃された側は心を病んでしまうこともあるので、改めて自分はそういう人になりたくないなと思いました。
それに、芸能人ってどうしても叩かれてしまう時が来るんです。叩いている人の言葉が大きく見えてしまうけれど、そのぶん自分のことを好きでいてくれて、応援してくれる人もいる。普段、ぼくも叩かれることが多いので、MEMちょのセリフにすごく救われました。
アイドルとしての心構えなど、自身と重なる部分もあったのでしょうか?
齊藤:私はルビーのアイドルへの憧れや執念に共感できました。自分がそうでしたから。アイドルが好きでアイドルになりましたし、辛い時期は全部アイドルに支えてもらっていたので、ルビーにすごくリンクするなと思いながら演じていました。特に、ルビーの「アイドルは私の憧れだからだよ」と言うシーンがあるのですが、本当にその通りで。私もアイドル時代、しんどい時きつい時ももちろんあって、もう無理かもなって思ったこともありましたが、でもやっぱりアイドルは憧れだったから頑張れた部分がすごくありました。
あの:ぼくは真逆だったなあ。MEMちょとぼくが真逆のキャラクターでもあったので、MEMちょに教えてもらった考えや感情が多かった。MEMちょという別のアイドルの人格になることで、アイドルの中にも縁の下の力持ちみたいな、外側からしっかり見守るという役目も必要なんだということを知ることができました。
では、最後に改めて、ご自身が演じたキャラクターの魅力を教えてください。
齊藤:ルビーは、天真爛漫・元気・アイドルへの憧れやこだわりが強い子。メンバー思いなところもすごく可愛らしいなと思います。それでもどこか二面性も持っていて。暗い感情も抱きながら転生して、人生を生きてきた子ではあるけれど、それでも芯の強さを持っている、根っからのアイドルです。
あの:MEMちょの魅力は、底抜けの明るさや、チャレンジ精神、そしてとにかく優しいところ。家族思いがゆえに、アイドルを諦めて自分の夢を叶えられなかったという過去があって、そういう心を持ちながら、自分の思いを押し殺してまでも家族や友達を優先できる子だと思います。念願かなって「B小町」としてアイドルになってからも、底抜けの明るさでみんなを盛り上げるけど、それでもどこか達観して、広い視野を持って優しい眼でみんなを支えることができる子です。ぼく自身、すごく尊敬できるなと思ってました。
原:かなは、すごく人間味のあるキャラクター。お芝居に対する異様な執着や、アイドルを頑張る原動力、その根本には結局、認めてほしいという気持ちや、劣等感もある、ここにいていいという安心感が欲しいという、ネガティブな気持ちがある子。そんな感情を原動力に彼女は動いてて、それがすごくリアルというか、人間味があるなと思っています。もともと私はかなちゃんのことが好きだったので、お話をいただいた時はすごく嬉しかったです。
ちなみに、ツッコミ担当のかなちゃんですが、演じる上で参考にした芸人さんとかはいらっしゃいましたか…?
原:芸人さんというよりかは、ひたすらアニメや漫画を参考にしました(笑)。台本を読む時間よりも、私はアニメと漫画に触れた時間の方が長かったので、該当するシーンは全部見て、アニメや漫画のかなちゃんと同じようなイントネーションや間で演じることができればいいなと思いながら。2次元を3次元に持ってくるうえで、できないこともきっと多いだろうから、寄せられるところはできるだけ寄せられたらなと!
【作品詳細】
Amazon Originalドラマ『【推しの子】』
配信日:2024年11月28日(木) 21:00よりPrime Videoにて世界独占配信開始
<配信スケジュール>
11月28日(木) 21:00 第1話~第6話
12月5日(木) 21:00 第7話~第8話
■映画『【推しの子】-The Final Act-』
公開日:2024年12月20日(金)
原作:「【推しの子】」赤坂アカ×横槍メンゴ(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
出演:櫻井海音、齋藤飛鳥、齊藤なぎさ、原菜乃華、茅島みずき、あの、安達祐実、志田未来、中村蒼、戸塚純貴、濱田マリ、尾美としのり、山下幸輝、杢代和人、なえなの、柊太朗、黒田昊夢、簡秀吉、菊地姫奈、竹財輝之助、石井杏奈、青柳翔、稲垣来泉、岩川晴、斉藤柚奈、永瀬ゆずな、倉科カナ、金子ノブアキ、成田凌、要潤、吉田鋼太郎
企画・プロデュース:井元隆佑
脚本:北川亜矢子
音楽:fox capture plan
監督:スミス、松本花奈
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 ©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会