本年度「カンヌ国際広告祭」 Design部門で金賞を受賞 した川上俊氏(artless)が、新宿伊勢丹において12月26日から来年1月11日の期間に催されるキャンペーンのVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)を担当することが発表された。本館とメンズ館の計21面に及ぶウィンドウと、本館一階のThe Stageのアートディレクション及びグラフィックを川上氏が制作する。
キャンペーンにおける伊勢丹全館のテーマは「未来への積極性」で、VMDは「墨象」をコンセプトに展開。書家・宮村弦氏による書と皇居にて撮影した「松」を融合。松の生命力や松と松の間にある気の流れ、そして風の動きを書の勢いや繊細な筆の流れを用いて、グラフィックコラージュによる景色を作り出す予定だ。日本の伝統文化である書を現代のモノクロームで表現し、それが品格あるファッションと融合することで新年に相応しい気の表現となり、先鋭的に新しい「格」の視覚表現を生み出すだろう。「日本らしさを伝えつつも、新しい世界観を生み出したいと思います」と川上氏。
今回のウインドウは最終的にはアートの要素として用い、写真家とのコラボレーションでアートブックの制作に至る予定。日本を伝統する百貨店の顔を新しい視点から捉え、アートとデザインの融合を演出する画期的な取り組みになるはずだ。
「artless」名義でアートディレクターとして、個人名ではアーティストとして活動している川上氏は、ファッションの領域でもアプローチしており、これまでも、タロウホリウチのトータルブランディング、イッセイ ミヤケ、ユニクロシャンハイ、マッキントッシュのウェブサイト等を手がけている。
【川上俊氏オフィシャルサイト】
shun kawakami:http://www.shunkawakami.jp/