マーベル映画『スパイダーマン:ホームカミング』は、トム・ホランドを主演に迎えた新スパイダーマンシリーズ。
舞台はニューヨーク。15歳のピーター・パーカーはスパイダーマンだ。部活のノリで街を救う、ヒーロー気取りの高校生。そんなピーターの能力を見出し、真のヒーローとしての“道"へと導こうとするのがアイアンマンことトニー・スターク。スタークに新しいスーツまで作ってもらい興奮するピーターは、自分の力を認めてもらおうと街に飛び出す日々。
そんなある日、巨大な翼で飛行する怪物が街に突如現れる。ピーターはここぞとばかり、ニューヨークの平和のために怪物退治に乗り出そうとするが、スタークに「アベンジャーズに任せておけ」と止められてしまう。
「ガキ扱いは、ゴメンだ!」とピーターはその忠告を聞かずに戦いに挑むが…。
『スパイダーマン:ホームカミング』 では、ピーターが真のヒーローになっていく成長と奮闘が描かれていく。果たしてスパイダーマンはアベンジャーズになれるのか!?
主人公ピーター・パーカーは、マーベル史上最年少の15歳。1996年生まれ弱冠20歳のトム・ホランドが演じる。新スパイダーマンのキャラクターは”やんちゃな若者”。何度も壁にぶち当たりながらも、一途に夢を追おうとする姿には、共感せずにはいられない。今回、そんな新スパイダーマンを演じるトム・ホランドに話を聞いた。
トム・ホランドさんが思う、スパイダーマンの魅力を教えてください。
スパイダーマンは誰でも共感できるヒーロー。例えば、ストーリーの中で大金持ちトニー・スターク(アイアンマン)にとっては、黄色いランボルギーニのガス欠が問題だけど、ピーター・パーカーにとってはバス代が足りないのが問題。こういった“困るポイント”にしてもスパイダーマンはすごく身近に感じられます。
新スパイダーマンに込めた想いをお聞かせください。
『スパイダーマン:ホームカミング』では僕なりのユニークさで、今までとは違うスパイダーマンになろうと意識していました。僕が演じたピーターは本当に子供っぽい。だけど、放課後にスパイダーマンになろうとも、学校では一生懸命に勉強をする。それがかっこいい。作品の中で、そういったピーターの姿から、特に若い人達に向けて大きなメッセージを伝えることが僕の使命だと思っています。
その大きなメッセージとは何でしょうか。
自分が自分らしくいることの大切さ。これは、僕自身もこの作品に参加して考えさせられました。
どのような瞬間に感じられたのでしょうか。
ロバート・ダウニー・Jrがまさにそういう人でした。偉大な俳優なのに、撮影の10分前には必ず現場に姿を現すし、スタッフ全員に挨拶をする。すごく一生懸命仕事をする人。
俳優という仕事をしていると、どうしてもライフスタイルがクレイジーになってしまいがちですけども、彼は彼のまま。そんな人に出会えるのは非常に新鮮なことで、一緒にさせて貰えたのはとても良い経験でした。
自身の生活の中でも「自分らしさ大切にしよう」と意識していることはありますか?
なるべくいろんな所へ友達を連れて行くようにしています。僕が、知らない間に”感じの悪い奴”になってくると、すぐに友達が「おまえ何なんだよ!」って言ってくれる。小さい頃から、親にも「自分らしくいなさい」としつけられた影響もありますね。
こうして自分らしくいられたから、ひとつの夢であったスパイダーマンという役が叶ったのかもしれません。今ここでこのような経験ができていることが、本当に楽しいです。
夢の実現にも繋がったということですね。
俳優をはじめてから、僕にとって“ラッキー”が続いています。それを無駄にしないためにも、自分らしさを貫き、夢に向かって努力することが必要。ひとつずつ努力することで、夢が叶えられているのだと思っています。きっと、物語の中のピーター・パーカーもそれは一緒なのかな。
なお、スパイダーマンの生みの親スタン・リーは「トム・ホランドはスパイダーマンの役をやるために生まれてきた」と語るほど評価している。トム演じるスパイダーマンは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で初めてスクリーンに登場し、アベンジャーズを中心としたマーベル・シネマティック・ユニバースの世界にデビューしている。引き続き、2018年4月公開予定の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』もスパイダーマンとして出演予定だ。
『スパイダーマン:ホームカミング』 で注目したいのは、トニー・スタークが開発したスパイダーマン・スーツのギミックの数々。コミックのなかでも出てこないような機能が加えられている。
プロデューサーのケヴィン・ファイギは「このスーツには、腕の内側に水かきのような羽が付いている。これはコミック版の初期のデザインに敬意を示し、今までは映画に使われなかった機能。また、目の部分を閉じたり開いたりする機能も追加。この開閉によって情報収集する「スパイダーマン・センス」が働く。」と話す。
スパイダーマンの代名詞にして最大の武器でもある「ウェブ・シューター」も、本作では高機能化されている。さらに、収集した情報をスーツへと送信する胸元のスパイダー・マークがもつ「偵察ドローン」機能や、右腕に搭載された敵の位置情報を確認する為の装備と思われる「GPS トラッキング・システム」なども搭載された。
これだけでの高機能をピーター・パーカーがいかにして扱うか……。それは彼自身に委ねられている。
「アベンジャーズ」シリーズなどでアイアンマン役を務めてきたロバート・ダウニー・Jrがアイアンマンとして出演。同役での出演がこれで8作目。彼は、新スパイダーマン役のオーディションでトムの相手役を引き受けており、「彼を見つけたのはとてつもない偉業だ」とコメントしている。
アイアンマンは、スパイダーマンにとってアベンジャーズの大先輩であり、“師”であり、そして両親のいないピーターにとって父親のような存在でもある。ピーターに与えるスーツに“補助輪モード”をつける、天才ならではの過保護ぶりも垣間見ることができる。彼らの関係性も見どころのひとつと言えるだろう。
『スパイダーマン:ホームカミング』の準主役と呼べるのがピーターの親友ネッド。ピーターが家に帰宅するところに遭遇。「アベンジャーズのメンバーなの?」と聞く。それに対してピーターは(本当はそうではないが)「まあね」と話す。早くから正体を知っており、コミカルなキャラで物語のキー。コンピューターにも強く、ピーターの心強い味方となる。演じるのはハワイ出身のジェイコブ・バタラン。