ファッション ホンコン(Fashion Hong Kong)の2016年春夏コレクションが、2015年10月14日(水)、東京・渋谷ヒカリエで発表された。
5名の香港デザイナーによる、合同ランウェイショー。参加したブランドは、発表順でキャシー・ラム・スタジオ(KATHY LAM STUDIO)、ルーム・ループ(Loom Loop)、チャイリー・ホー(Chailie Ho)、コーヨー(KOYO)、ルル・チャン(LU LU CHEUNG)。各ブランドがそれぞれにテーマを設定し、コレクションを展開した。
■キャシー・ラム・スタジオ(KATHY LAM STUDIO)
ターコイズブルーとホワイトを中心にパレットを構成。効果的にシースルーを挿し込み、テーマの「Lorelei」を表現した。人の笑い声もちらほら聞こえる、のどかな音楽が流れる中、プリーツやプリントが柔らかに揺れるワードローブを展開。
■ルーム・ループ(Loom Loop)
手に持ったけんだま、紙でできた冠など小物使いで遊び心を魅せたルーム・ループ。「The Happy Prince」というテーマを、暖色から寒色まで幅広いカラーでみせつつも、全体的に鳥のようなモチーフを採用し統一感を演出した。
■チャイリー・ホー(Chailie Ho)
水彩風のプリントをテキスタイルに落とし込んだ、チャイリー・ホーは「Mermaid Circus」をテーマに、パステルカラーを前面に押し出したガーメンツを構成。マーメイドの妖婉さを、軽やかな素材を用いたフリルと色合いで表現した。
■コーヨー(KOYO)
シースルーに立体感のある刺繍を施し、奥行きのあるウェアを発表。近未来的なスニーカーやアクセサリー、フーディを用いたアウターなど、都会的でストリートのニュアンスを感じさせるショーを作り上げた。
■ルル・チャン(LU LU CHEUNG)
明るい印象の、ミニマルなリアルクローズが登場。デイリーユースが容易に想像できるシンプルなデザインは、優しさすら感じさせる表情をみせていた。デザインの細部にさりげなくアシンメトリーのシルエットを採用。ただ単にプレーンなわけでなく、ディテールのこだわりも散見できるアイテムが揃った。
全体を通して、香港の風土や価値観、空気感が伝わるコレクションだった。日本とは違い、亜熱帯気候に属す地域にあり、春夏コレクションでもより軽く過ごしやすいアイテムが共通してみられたように思う。