ディーゼルがサポートする、世界中のファッションデザインスクールの学生や新卒者を対象としたファッションコンテスト「ITS」(イッツ=International Talent Support)。これまでのファッション、アクセサリー、フォト部門に新たにジュエリー部門が加わり、2011年7月15、16日の2日間にわたりイタリア・トリエステにて「ITS#TEN」が開催された。
昨年に続きファッション部門、アクセサリー部門のゲスト審査員に迎えられたのはヴィクター&ロルフ。 そのほか、ディーゼル・アーティスティック・ディレクターのブルーノ・コリンや、世界的に著名なデザイナーやバイヤーが審査員を務めた。
ファッション部門の最優秀賞にはセントラル・セント・マーチンズ・カレッジ・オブ・アート&デザイン出身のShaun Samson(アメリカ)、ディーゼル賞にはシェンカー・カレッジ・オブ・テキスタイル・テクノロジー&ファッション出身のNiran Avisar(イスラエル)が選ばれた。
Shaun Samsonは、ラティーノのストリートカルチャーとアメリカのワークウェアが融合したコレクションで最優秀賞を受賞。伝統的なワーキングクラスの素材であるフランネルと囚人服のシェイプをベースに構成されており、スコットランド民族を象徴するタータンチェックは、ストリートギャングの忠誠を表すカラーになぞらえて用いられている。異素材を継ぎ目なくつなぎ合わせ、囚人服と伝統的なアメリカのフランネルを視覚的な比喩として結びつけている。
ディーゼル賞のNiran Avisarは「ジェントルメン・エボリューション」と名づけられたエゴン・シーレの作品にインスパイアされたコレクションを発表。ディーゼル創始者兼社長のレンツォ・ロッソから25,000ユーロの賞金と6ヶ月間のディーゼル・クリエイティブ・チームでのインターンシップが授与された。ディーゼルはこの賞を通じて、デザイナーがキャリアをのばすために必要な資金だけでなく、インターンシップを通じて企業の生産工程を実際に学ぶことができる機会を提供し、彼らの今後につながるサポートを実質的に行っている。
審査員を務めたヴィクター&ロルフのヴィクター・ホスティンは「ファッション部門は昨年に比べるとクリエイティビティの面では皆のレベルが均衡していて突出したコレクションが少なかった。アクセサリ部門ではより際立って素晴らしい作品があった。」と語っている。また、ロルフ・スノランは「ファッション部門ではファブリックやテクスチャーが特に入念に研究されていて、エモーショナルで革新的なアプローチよりも、職人技が光るフォーマルなものが多かった。アクセサリー部門ではよりミックスされたもの、素晴らしいアイディアやコンセプトが見られた。必ずしもファッショナブルなアクセサリーに落とし込まれるとは限らないが、クオリティの面でファッション部門よりもバラエティに富んでいた。」と評価する。
ディーゼル・アーティスティック・ディレクターのブルーノ・コリンはこのようにコメントしている。「今年はITSにとって10周年の特別な年だった。世界中から集まった学生から、ファッションだけでなくアクセサリーの分野で新しい才能に出会い、新しいトレンドを発見することができた。ファッション業界で欠かせない、シューズやアクセサリーの分野で彼らはより存在感を増していくだろう。」
左)Olivier Rugger 右)Laura Amstein
ITSは一流メゾンで活躍するデザイナーを数多く輩出していることでも注目されている。また、審査員としてもこれまでに多数のファッションデザイナーやジャーナリスト、有名セレクトストアのバイヤーが参加している。コンテスト期間中、世界中のファッションジャーナリストや審査員との交流もITSの魅力のひとつ。実際にジョン・ガリアーノ、ジョルジオ・アルマーニ、アントニオ・マラス、ロベルト・カヴァリ、フェラガモ、マックス・マーラ、ヴィクター&ロルフ、ディーゼルなど著名なメゾンから数多くのファイナリストに声がかかっている。
■Diesel
URL : www.diesel.co.jp/news/detail.php?id=73
■ITS
URL : www.itsweb.org/jsp/en/index/index.jsp