ディズニー最新作・映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』が2017年7月1日(土)に公開。公開後の週末2日間で77万人を動員する大ヒットを記録。特にと一緒に冒険に出ているかのような気分になれる4D上映が人気をけん引している。
孤高の海賊、キャプテン・ジャック・スパロウの過去を知る最恐の敵、“海の死神"サラザールが解き放たれた時、海賊全滅へのカウントダウンが始まってしまう。ジャックがサラザールの復讐から逃れる方法はたった1つだけ。”最後の海賊”のみが見つけ出せると言われる伝説の秘宝「ポセイドンの槍」を手に入れることだった。
かつてジャックと冒険を共にしたウィルの息子ヘンリー、女性天文学者カリーナ、宿敵バルボッサなど、様々な運命が交差する中、最後に宝を手に入れるのは誰か?そして、ジャックVS海の死神の決戦の行方はどこへ?すべての謎が明かされる冒険が、ついに幕を開ける。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』の公開前に、ジョニー・デップが来日。本作の舞台裏や彼が演じるアイコニックなジャック・スパロウについて話を聞いた。
ジャック・スパロウというキャラクターをどのようにして作り上げたのですか?
脚本をもらった当初に望まれていた“ジャック・スパロウ像”から、私はだいぶ変えました。彼を演じる上でイメージしたのは、ルーニー・テューンズ(Looney Tunes)に登場するスカンクのキャラクター「ペペ・ル・ピュー(Pepé Le Pew)」です。ぺぺは自身のことをすごくかっこいいと思っているけれど、スカンクなので実際は匂う。ジャックには、それに似たナルシスト的な部分が合うと思ったのです。
ジャック・スパロウの魅力は何でしょうか。
ジャックの魅力は、とても無邪気で純粋な子供みたいなところ。どんなに無責任でバカバカしいことをしても、許されるところがありますし、どんな状況でもなんとか切り抜けられてしまうのです。おそらく、彼は生きてきて一度も内気だったことがない。そういった意味で、このキャラクターは本当に珍しい役だと思います。
ジャック・スパロウを演じる面白さを教えてください。
私は絶対に私生活でジャック・スパロウのような行動はできません。俳優として彼になりきれるからこそ、劇中で色んなことができるだけなのです。ジャックになりきっているときは何でもできる、という安心感があるので、彼を演じるのは本当に楽しくてしょうがないです。
本作では「ジャック・スパロウ」の誕生が描かれましたが、若き日のジャックをご覧になって、いかがでしたか。また、こういった最先端の映像技術に関してどう思いますか。
シリーズで初めて、若き日のジャック・スパロウが登場していますが、それを見たときは奇妙でシュールな感じがしました。本当に自分なのか?と疑ったほどです。こういったテクノロジーがさらに進んでいくと、映画の世界で何でも可能になると思います。例えば将来的に、亡くなった役者が映像内で蘇り、彼らとの共演が可能になるかもしれないですよね。
新悪役のサラザールとして、ハビエル・バルデムが出演していますね。
ハビエル・バルデムは私の古くからの友なので、彼が参加すると聞かされた時は嬉しく思いました。
彼は、相手にやるべきことは何か?熟考すべきことは何か?を的確に投げかけてくる役者です。一緒に演技をしていると、同じリングの上で、お互いに技をかけ合っているかのよう。そういう風にハビエルを目の当たりにできたことは素晴らしい経験になりました。
バルデムのサラザールに対するアプローチは威厳がたくさん込められているし、ある種の敬意もたくさん込められている。“コウモリのように地獄からやってきて仕留めてみせる”という執念。サラザールはジャックを殺したいと思っているけど、その一方で、心に傷を負ったヒーローでもあるのです。
今作では新しい監督が抜擢されています。
監督のヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリは、素晴らしいサプライズでした。彼らは、私がどんなに奇異なことを本作に新たに加えようとしても、常に大歓迎してくれたのです。例えば、あるシーンを幾つか別の方法で撮ってみてほしいと要望すれば、それを試してくれる。アドリブでバカなこともやらせてくれ、創作の一環としてそれを取り入れてくれる。役者の本当の責務は、監督に自分の意見を提出することですからね。
最後に『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』について一言お願いします。
私たちは今作で、新しいアングルやサプライズを編み出しています。前作以上に奇怪でダークなものにさえなっていて、とても可笑しいことも描かれている。なので、1作目『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』にあったサプライズ要素を持った作品になっていると思います。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』の新キャストである、ブレントン・スウェイツにインタビューを実施。彼は『マレフィセント』(2014年)でフィリップ王子を演じ注目された、オーストラリア出身の若手俳優だ。
今回彼が演じるヘンリーはウィル・ターナーの息子であり、ジャック・スパロウの新たな相棒となる人物。舞台裏や役柄、作品の見どころについて話を聞いた。
最初にオファーをもらった時はどんな気持ちでしたか。
『パイレーツ』シリーズは、1作目が公開された子供の頃からファンだったので、オファーをもらった時はとても嬉しく、ワクワクしました。さらに、撮影の大半が故郷のオーストラリア・クイーンズランドと聞いたので、運命的なものを感じましたね。
また、キャスティングされたのがヘンリーであることも幸運でした。彼は物語を通して、父親のウィル・ターナー、ジャック・スパロウ、そしてカリーナといった様々なキャラクターと深く関わるので、そういった意味でも楽しみでした。
実際ジョニー・デップと初共演してみて、いかがでしたか。
ジョニーは即興で演じるのがとても上手で、撮影中に衝動的なアドリブを連発するのです。予期していないことを言ったりしたりするので、恐ろしくもありながら、役者として流れに身をまかせるスキルが磨かれたので良いことでしたね。
ヘンリーはどんな人物でしょうか。
目的意識を持って突き進み、ゴールに辿り着くまで努力をやめない、そんな人物です。それでいて、決して頑固ではなく、人に頼るのも上手いところが気に入っています。物語の中では、父・ウィルにかけられた“10年に1度しか陸に上がれない”呪いから救い出すことに全身全霊をかけます。そしてジャック・スパロウやカリーナと協力して航海に乗り出していきます。
実はヘンリーの父も、これまでの作品で自分の父親(ビル・ターナー)を救うために奮闘しているのです。そのため、シリーズを通して描かれている「家族が互いを助け合う」という襷をヘンリーが引き継いでいる感覚があります。