映画『タンジェリン』が、2017年1月28日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラム他で順次公開。
©2015 TANGERINE FILMS, LLC ALL RIGHTS RESERVED
『タンジェリン』は全編iPhoneで撮影されたまったく新しいガールズコメディー。犯罪行為が日常茶飯事のロサンゼルスに生きるトランスジェンダー2人の、エネルギー溢れる1日を描いた。見どころは2人が繰り出す痛快なマシンガントーク。それが絶妙な掛け合いで刺激的なコメディに仕上がっている。
監督・脚本はショーン・ベイカー。才能あふれるクリエーターだ。彼は現場をリサーチ旅行することから作り上げていく。例えばタンジェリンは、ニュース記事をきっかけに関心を持ち企画がスタート。記事で書かれたスポットが「ドーナツタイム」というドーナツ屋でそこで実際に撮影されている。
主人公シンディと友人のアレクサンドラを演じるのは、当時まったく無名だったが、全米公開時に大きな話題を集めたマイヤ・テイラーとキタナ・キキ・ロドリゲス。ともにトランスジェンダーの女優で、実生活でも親友同士の二人の息がぴったりとあった演技に注目したい。二人は強烈な存在感でスクリーンを支配し、完璧なコンビが爆笑と感動を生む。
アレクサンドラ(マイヤ・テイラー)
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トランスジェンダーという複雑な役を演じ、歌声も披露したマイヤは、初演技ながらその演技力が高く評価され、今年初頭におこなわれたインディペンデント・スピリット賞の助演女優賞、ゴッサム・アワードのブレイクスルー俳優賞、サンフランシスコ映画批評家協会賞助演女優賞をはじめ、数多くの映画賞を受賞。トランスジェンダーの俳優が主要映画賞を受賞するという史上初の快挙を果たした。
同じく『タンジェリン』が初演技のキキも、インディペンデント・スピリット賞にて『キャロル』のケイト・ブランシェットや『ルーム』のブリー・ラーソンなどのアカデミー賞受賞女優たちと並んで主演女優賞にノミネートされている。
【詳細】
映画『タンジェリン』
公開日:2017年1月28日(土) 渋谷シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開
監督:ショーン・ベイカー
出演:キタナ・キキ・ロドリゲス、マイヤ・テイラー、カレン・カラグリアン、ミッキー・オヘイガン、アラ・トゥマニアン、ジェームズ・ランソン
配給・宣伝:ミッドシップ
2015年/アメリカ/英語・アルメニア語/88分/カラー/シネスコ/原題:Tangerine
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■ストーリー
太陽が照り付けるロサンゼルスのクリスマス・イブ。街角のドーナツショップで1個のドーナツを分け合うトランスジェンダーの2人。28日間の服役を終え、出所間もない娼婦シンディは、自分が留守中に恋人が浮気したと聞きぶち切れる。歌手を夢見る同業のアレクサンドラはそんな親友シンディをなだめつつも、その夜に小さなクラブで歌う自分のライブのことで頭がいっぱいだ。さらに、彼女たちの仕事場の界隈を流すアルメニア人移民のタクシー運転手ラズミックも巻き込んで、それぞれのカオスな1日が幕を開ける。