たくさんの良い役に巡り合っても、まだ嫉妬するんですね。
(笑)確かにそうです。具体的にこういう役をやりたいというのはないですが、良い作品に出会いたい。根本はそこですね。
演じる上で一貫して守っているものはありますか。
当たり前のことなのですが、セリフを覚えて現場にいくということ、遅刻しないという基本的なこと。現場は信頼関係で成り立っているので、俳優も責任を持ってそれをやれば何とかなるんじゃないかと。
もちろん、こういう芝居をやってみよう、こういうことをやってみたいなという引き出しは増やしていきますが、共演者との距離感で変わってくるものもあるので、能動的な部分は臨機応変に受け入れられるようにしています。
映画『ビジランテ』はセリフが少なく暴力シーンが多め。現場での臨機応変な対応が求められたのではないでしょうか。
セリフの多さに関係なく、大切にしているのはその時の演じる役の気持ちです。今回ですと、一郎が歩いているシーンで彼が何を考えているのか、逆に何も考えていないんじゃないか…と考えたり。そうやって準備してその人の気持ちになってただそこにいる。それが最善策じゃないかなと思っています。
映画、ドラマ、舞台…と様々なシーンで俳優として活躍している大森南朋だが、自身のブランド「サラバ(SALABA)」の展開やアングラサッド(ANGLASAD)のランウェイショーに出演するなど、ファッションシーンでも活躍している。
アングラサッドのショーにモデルとして出ていましたよね!
そうです(笑)。アングラサッドのショーにも出演しましたし、ダイエットブッチャースリムスキンのコレクションルックにもモデルとして登場しました。ファッションショーとは縁遠く生きてきたのですが、一回くらいランウェイを歩いてみたかった。そしたら、アングラサッドのデザイナー清水護君が「いいですよ」って言ってくて。
アングラサッドは普段から愛用していますか。
アングラサッド着ています!デザインが激しいので、展示会にいって割と地味目なものを選んでます。
それと最近は、イギリスブランドのニコラス デイリー(NICHOLAS DALEY)に注目しています。彼がデザインした服を買いました。結構可愛いの作っているんですよ。黒いモードっぽい感じですがゆったりとしたサイズ感で。ピチピチのパンツも履いたりしますが、最近はゆるい感じのシルエットが好き。
ファッションのように違う分野での活躍や興味は、演技の部分にもプラスの影響を与えていますか?
具体的に芝居にどう生かされているかはわからないですが、色々な人に会うこと人とコミュニケーションをとり続けることは大切だと思っているので、プラスに繋がっていると思います。
バンド活動を復活されたそうですが、音楽も同じような存在ですか?
音楽はまた違う。もう少し自由にできるもの。40代でまたやりたいって思いまして、ちょうどメンバーとのタイミングもあったので音楽活動を再開しました。人生においてこういう位置で音楽をやっています、みたいのはないですが、メンバーと一緒に曲を作ったりちゃんと時間かけてやんなきゃいけないと思いながらも、自由な自分を見せることが出来るものとして楽しんでいます。
映画『ビジランテ』
公開日:2017年12月9日(土)テアトル新宿ほか全国ロードショー
出演:大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太、篠田麻里子、嶋田久作、間宮夕貴、吉村界人、岡村いずみ、菅田俊
脚本・監督:入江悠
R15+
©2017「ビジランテ」製作委員会
■ストーリー
高校時代に失踪した長男・一郎(大森)。市議会議員の次男・二郎(鈴木)。デリヘル業雇われ店長の三男・三郎(桐谷)。別々の道、世界を生きてきた三兄弟。父親の死をきっかけに、失踪していた一郎が、30年振りに突然帰ってくる。そしてその後、再会した三兄弟の運命は再び交錯し、欲望、野心、プライドがぶつかり合い、事態は凄惨な方向へ向かっていく。