ディオール(Dior) アート オブ カラー展」が日本へ。ディオール ビューティーのカラーへの情熱と歴史を紐解く展覧会が、2018年4月12日(木)から21日(土)まで東京・神宮前のSO-CAL LINK GALLERYで開催される。
ディオールの「アート オブ カラー」とは、12色のカラーをインスピレーションに作り出したアーティストやクリエイターたちの作品を収めたアートブック。書籍の中には、ディオール メイクアップ ディレクター ピーター・フィリップスの作品をはじめ、これまでディオール ビューティーの歴史を刻んできたアーティストの作品、クロード・モネやパブロ・ピカソといった有名芸術家の作品、さらには日本になじみ深い浮世絵までが一緒に収録されている。
実は、ディオールとアートの関係性は古く、ムッシュー(クリスチャン・ディオール)の時代まで遡る。彼は「自身の作品の配色や色選びには、哲学的、科学的な理論の影響は受けていない」と話していたが、美術史への造詣が深く、特に19世紀後半から20世紀初期にかけての近代芸術運動を好んだ。中でも、彼の心を刺激したのは、キュビズムやドイツ表現主義の一派「ブラウエ ライター」。
オートクチュール コレクションデビューのずっと前、1928年には芸術家の友人たちとともに、アートギャラリーをパリに構えたほど、アートに関心が高かった。
ブランド設立以降、ファッションシーンで第一線を引っ張てきたディオールであるが、同時にアートとの関係性も育んできた。その中でも「アート オブ カラー」は、“アートの切り口からビューティーの歴史を紐解く”というメゾンにとっての新しい試み。
2016年10月に刊行されて以降、ニューヨーク、アルル、ドバイ、ソウル、上海と世界中の都市で「アート オブ カラー」にまつわる展覧会が行われ、2018年4月ついにここ東京で最終章を迎える。
そもそもディオールが、ビューティー部門での活躍をスタートしたのは1949年。フランス・パリのアヴェニュー・モンテーニュ本店で口紅「ルージュ ディオール」<限定品>を発売したのが始まりだ。
深い紅色で染め上げられたリップは、当時のディオール ニュールックと相性抜群。絶対的なフェミニニティを体現するものとして、一躍注目を浴びた。
1967年にセルジュ・ルタンスがアーティスティック イメージディレクターに就任し、10年以上に渡ってディオール ビューティーを引っ張ってきた。その後、1980年にティエンが抜擢されアーティスティック イメージディレクターへ。そして今日、ディオール ビューティーの素晴らしさを表現するのはピーター・フィリップス。ディオール ビューティーの歴史は、3人の歴代アーティストによって築き上げられてきた。
東京で行われる「アート オブ カラー」展では、3人の歴代アーティスティック ディレクターにフォーカス。写真、映像、音源と3つの視点から彼らの作品を紹介し、色の解釈について紐解いていく。
会場は大きく3つのブースに分けられていて、入口を抜けるとまず出迎えてくれるのは、現在のディオールを引っ張るピーターの作品群。メゾンのアイコン「ルージュ ディオール 99」にオマージュを捧げた、新作チークからインスピレーションを得た「赤」の3部作が最初のもてなしだ。
会場内へ歩みを進めると様々な色に出会うことが出来る。女性たちを輝かせたいと願う、ピーターの純粋な思いを捉えることが出来るだろう。
続くのはティエン。パリ・オペラ座のフェイス デザイナーからキャリアをスタートさせ、バレエ作品を数多く手がけたティエンは、ピーターとはまた一味違った色の解釈と、メイクアップの遊び心に気づかせてくれる。