映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が公開。前作に続き、物語のヒロイン・ティナはキャサリン・ウォーターストン、ティナの妹・クイニー役はアリソン・スドル、そして物語で唯一の“人間”ジェイコブ役はダン・フォグラーが演じる。
主演エディ・レッドメイン演じるニュートを取り巻く彼らは、個性豊かなキャラクターで、物語にさらなる面白さと奥行きを与える。2作目を迎えるシリーズに改めて参加する喜び、そしてそれぞれのキャラクター象について話を伺った。
“ファンタビ”シリーズに参加した感想を教えてください。
ダン:世界的に評価されているシリーズの一部でいられるなんて、本当に魔法をかけられた気分です。僕らは世界の中でも一番ラッキーな人たちなんじゃないかって。
アリソン:私がこの物語に参加して、クイニーのような魔法使いを演じることができていること自体が魔法のようなことだと思うのですよね。皆とても優しいし、良い環境で撮影が出来ていると思う。これは現実なのかしら?と自分の頬をつねってしまうほど、すごく幸せを感じています。このシリーズに出演してから、良いことは沢山起きても悪いことは1つも起きていないです。
ダン:確かにキャスト陣にはすごく恵まれましたね。一緒に楽しむことができているし、昨日(プレミアの後)も一緒に出掛けたんですよ。
実際、撮影現場に入ってからはいかがだったのでしょうか?
キャサリン:初めの頃、エディ、ダン、アリソン、私の4人が演じるキャラクーたちがこれからどういうような感じになっていくのかな?と少し緊張していました。それでも、一度映画のシーンの撮影に入ると、そんなことを感じていられないほど、とにかく演技のことで頭がパンパンになってしまって。台詞だったり、アクションだったり課題が山積みでしたから。ありがたいことに他の心配事に頭が回らない状況だったんです。
あの時は、“あれしなきゃ”“これしなきゃ”と常に考えている思考回路が爆発しないように、自分をしっかりと保つということに集中していたのを覚えています。
ティナはとても正義感のある魔女ですよね。
キャサリン:彼女は正義感に満ちているように見えるけれど、実際その内面には“自信と不安”の両方が混在していて、矛盾した要素を抱えている魔女です。一見難しい役柄と思われるかもしれないけれど、そんな彼女の内面はどの女性にも共通したものだと思います。彼女の複雑な心の葛藤は、同じ女性として共感することができたから、自然に溶け込むことが出来ました。
そんなティナの二面性とは、どのように描かれているのでしょう?
キャサリン:彼女の持つ二面性は、エディ・レッドメイン演じる主人公・ニュートと出会ったことで、よりはっきりと描かれています。そもそも彼女は、MACUSA(米国魔法省)に勤めていることを、とてもとても誇りに感じていた生真面目な魔女。だからこそ、そんな大好きな職場から役職の降格を言い渡されたことで、彼女のプライドは深く傷ついてしまうんです。そんな時に、自分のステータスにしがらみをもたないニュートと出会い、彼女は初めて自分の仕事に対する信念を振り返るきっかけが生まれます。“私は、あまりに盲目的に組織に献身していたのではないのか?”と。
そして最新作となる今回、彼女のその気持ちは、ますます強くなる。大好きなMACUSAに身を置きながらも、組織としての手法に“疑問”を持ち始めているんですね。何が正義なのか、揺れ動く彼女の心の葛藤も見どころの1つだと思います。
クイニーとジェイコブは、魔女とノーマジ(人間)の禁断のロマンスの行方に注目が集まっています。実際に演じてみて、2人の関係をどのように思いますか?
ダン:典型的な“非合理的なカップル”だと思います。2人は、魔法界と人間界という垣根を超えた禁断の恋に落ちているわけだけれど、“どこまでその秘密を隠し通せるか”という根本的な問題を遠ざけているわけですよね。目の前の恋に盲目になってしまって、全く合理的な思考が出来ないというか。
アリソン:“もう少しうまくやればいいのに…”とみている観客の人も思うはず。(笑)それでも相手に恋焦がれている場合は、友達と一緒にいるような精神状態で物事を判断することができないんですよね。些細なことでも反応してしまうし、いろんな引き金が出てくる。例えば、自分の一番いい部分が出てくることもあれば、自分の最悪な部分が出てくることもある。2人は、そういう引き金に踊らされている典型的な恋人同士なんだと思います。
これからの2人のロマンスの行方はどうなるのでしょう。
ダン:カップルって、今まで上手くいっているのだからあまり運命が変わるようなことはしたくないというか、挑戦しないのが良いんじゃないかと思うことがあるじゃないですか。ジェイコブもそう思っているはず。彼の気持ちを代弁するなら、クイニーのことを失いたくない!という気持ちが強いから、
世の中に2人の関係を隠したままで続けていきたいという本音が潜んでいると思います。
アリソン:たしかに、ジェイコブはクイニーを失うことの恐怖が強いし、クイニーはクイニーで、もっとそんなジェイコブの気持ちに気付く必要があるのだと感じます。お互いにみている視点がずれているから、喧嘩になるし、すれちがいが起きてしまう。それでも、そういう紆余曲折を得て、2人の関係がうまく行けば良いなと私は祈ってる!自分自身と2人から距離を置いて、もうちょっと冷静に、そして合理的に考えていくことが、2人の関係を深めるキーになるのではないでしょうか。
公開:2018年11月23日(金・祝)
監督:デイビッド・イェーツ『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』『ハリー・ポッター』シリーズ後半4作品
原作・脚本:J.K.ローリング
プロデューサー:デイビッド・ヘイマン『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』『ハリー・ポッター』全8作品、J.K.ローリング
出演:エディ・レッドメイン、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、キャサリン・ウォーターストン、アリソン・スドル、ダン・フォグラー、ゾーイ・クラヴィッツ、カラム・ターナーほか