展覧会「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」が、東京ステーションギャラリーで2019年4月27日(土)から6月16日(日)まで開催される。その後、伊丹市立美術館・伊丹市立工芸センター、岐阜県現代陶芸美術館などにも巡回する予定だ。
《蝶》1957年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵
Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art
©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531
ルート・ブリュックは、北欧・フィンランドを代表するアーティスト。名窯アラビアの専属アーティストとして、約50年間活躍し、版画の技法を応用して独自の釉薬や型の技術を開発するなど、クリエイティビティを発揮した。1点物のレリーフを中心に、陶板から膨大なピースを組み合わせた迫力あるモザイク壁画まで、幅広い作品を手掛けている。
《ライオンに化けたロバ》1957年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵
Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art
©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531
ブリュックの多彩な作品を網羅した日本初の展覧会となる「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」では、約200点のセラミックやテキスタイルなどをダイナミックな展示構成で紹介。活動初期から後期に至るまで、ブリュックの活動の軌跡を辿る。
《色づいた太陽》1969年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵
Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art
©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531
活動初期には、果物や鳥、建物など日常的なモチーフを表現した陶板を制作していたブリュックだが、晩年にはタイルを手作業で組み合わせて大型壁画を手掛けた。その劇的に変化していく作風は、本展で注目したい見所の1つだ。
《スイスタモ》(部分) 1969年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵
Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art
©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531
ブリュックのものづくりにおけるインスピレーション源は、独自の文化や生命観をもつフィンランドの風土。伝統技術と手仕事によるクリエーションを貫いたブリュックの作品からは、繊細で詩的な感性が感じられる。ロマンティックな雰囲気ながら、どこかスピリチュアルな世界観は、“明るく、愛らしい”といった北欧への既存のイメージをアップデートしてくれそうだ。
【開催概要】
ルート・ブリュック 蝶の軌跡
会期:2019年4月27日(土)~6月16日(日)
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
開館時間:10:00~18:00 ※金曜日は20:00まで開館、入館は閉館の30分前まで
休館日:4月29日、5月6日、6月10日をのぞく月曜日、5月7日(火)
入館料:一般1,100(900)円/高校・大学生900(700)円/ 中学生以下無料
※( )内は前売料金[2月16日(土)から4月26日(金)まで販売]
※20名以上の団体は、一般 800円、高校・大学生 600円
※障がい者手帳等持参の場合は100円引き(介添者1名は無料)
※2019年~2020年にかけて、伊丹市立美術館・伊丹市立工芸センター、岐阜県現代陶芸美術館ほか全国数会場の美術館で開催予定。