英国ロイヤル・バレエ団の名作バレエ「ロミオとジュリエット」が劇場を飛び出し、スクリーンへ。映画『ロミオとジュリエット』が、2020年3月6日(金)全国公開となる。
英国ロイヤル・バレエ団の「ロミオとジュリエット」が、“ステージ”という制約を飛び出し映画化。劇場映画ならではの躍動感で、誰もみたことのない新しい「ロミオとジュリエット」の物語をつづる。
特筆すべきは、映画版でしか見られないリアリティ。物語の舞台である、16世紀ヴェローナの街を再現したロケーションと精巧なセットのもと、劇場映画ならではのカメラワークで、通常のステージでは体感できない新しい角度から、ロミオとジュリエットの物語を切り取る。
演じるのは、英国ロイヤル・バレエ団のダンサーたち。主要キャストには若いダンサーたちが選ばれた。
注目は、ジュリエット役のフランチェスカ・ヘイワード。157cmと小柄な身体ながらダイナミックな演技で、英国ロイヤル・バレエ団の“最高位”プリンシパルとして活躍するバレリーナだ。映画『キャッツ』ではヒロイン役に抜擢されるほどの若手実力派で、バレエ「ロミオとジュリエット」でもジュリエット役を演じている。
そんなフランチェスカ・ヘイワードに、バレエと映画の違いや、映画『ロミオとジュリエット』の魅力について話を聞いた。
Q.同じ作品でも、映画とバレエでは演じる上で違いはありますか。
舞台で踊るのと映画撮影は全く違います。一番の違いは、ロケ撮影だったこと。
一か所で演じるのはでなくて、寝室、舞踏会の部屋、墓場…と様々な場所で演じることで、本当に私がヴェローナに存在している、ヴェローナで生きているように感じられました。ここでロミオと出会い、あの場所で彼とファーストキスをしたんだ…と思い起こすと、まるで現実に起きたことのようで。
撮影最終日には、セットを見返して、生まれ育った場所とお別れするような切ない気持ちになりました。映画撮影を通して、役について深く考える機会を与えてもらいました。
Q.時系列で進むバレエと違い、映画撮影では、感情作りが難しかったのではないでしょうか。
撮影は、『ロミオとジュリエット』の物語の順番通りに行われたので、舞台同様、時間をかけて、物語や感情を作り上げることができました。その時に感じていなければならないことを感じながら演じることができたと思います。
特にラストシーンは、感情にあふれていました。本当に涙を流して、大きな声を上げて、その時の感情をリアルに表現することができたと思います。
Q.映画撮影だからこそ難しかったことは?
躍りのシーンです。狭い空間で演じなければならないときもあれば、舞台よりも広い場所で空間を埋めなければならないことも。外での撮影シーンは、踊るときには滑らないように気を付けていました。
Q.バレエ・映画と経験して感じた、ジュリエットの魅力とは?
ジュリエットの成長の過程が大好きです。彼女はとても若い女の子ですが、様々な経験を経て強く勇敢になっていきます。
私は三幕での演技が特に気に入っています。バレエの舞台では、ジュリエットはこの三幕をひとりきりで演じることがとても多いのですが、“その瞬間を生きる”ジュリエットの力強さを感じられる場面です。