展覧会「奇想の国の麗人たち ~絵で見る日本のあやしい話~」が、東京・弥生美術館にて、2020年10月31日(土)から2021年1月31日(日)まで、事前予約制で開催される。
昔話や伝説などからは、その民族の特性を読み取ることができるとされる。例えば日本には、鳥や狐が人間に化けて嫁になるという話が多く伝わる一方、他国にはほとんど見られず、逆に西洋では人間が獣に変身するという物語が数多く存在する。
「奇想の国の麗人たち ~絵で見る日本のあやしい話~」は、日本人が長年語り続けてきた伝承文学を、その物語にまつわる当時の挿絵や現代の絵画など約60点とともに紹介する展覧会だ。
「蛇」のコーナーでは、恋しい男の後を追って日高川を渡るうちに蛇へと姿を変えた女が、最後には男を焼き殺した物語「安珍清姫伝説」を取り上げる。平安時代の絵巻の写しや、現代の作家・加藤美紀による妖艶な「日高川」などからは、異なる時代や画家によるさまざなま表現を楽しめそうだ。
一方「魚」では、不老不死の象徴とされてきた人魚を取り上げ、谷崎潤一郎の小説『人魚の嘆き』に挿入された、退廃的な挿絵などを展示。また、夜間に無数の火が見えるという怪奇伝説「狐の嫁入り行列」を描いた着物をはじめ、生き物にまつわる伝説を、絵画のみならず着物や写真といった多彩な作品とともに紹介する。
さらに、絵画にみる霊魂や死後の世界の表現も。『源氏物語』の主人公・光源氏の愛人の生霊が、正妻である葵の上に取り憑く場面を描いた御正伸「葵」や、源平合戦で滅ぼされた平家の怨霊を描いた「残霊」など、日本の霊魂の姿を紹介する。
展覧会「奇想の国の麗人たち ~絵で見る日本のあやしい話~」〈事前予約制〉
会期:2020年10月31日(土)~2021年1月31日(日)
※オンラインによる事前予約制を導入(電話でも可)
会場:弥生美術館
住所:東京都文京区弥生2-4-3
TEL:03-3812-0012(代)
開館時間:10:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日:月・火曜日(11月3日(火・祝)・23日(月・祝)、1月11日(月・祝)は開館)、11月4(水)、12月28日(月)~1月2日(土)
料金:一般 1,000円、大・高生 900円、小・中学生 500円
※上記料金で竹久夢二美術館も観覧可
※会期などは変更となる場合あり(最新情報は美術館サイトへ)