長野県信濃美術館がリニューアル。「長野県立美術館」として、2021年4月10日(土)に開館する。
長野県信濃美術館は、郷土作家の作品や信州の風景画を中心とした収蔵品などを紹介してきた、長野県唯一の県立美術館。1966年に開館したその本館には、日本画家・東山魁夷の作品約960点を所蔵する東山魁夷館が併設し、2019年10月にリニューアル・オープンを迎えている。
今回、長野県信濃美術館本館がリニューアルし、長野県立美術館として、装いも名前も一新して開館する。長野の豊かな大自然を背景とする同館は、自然的・歴史的景観と調和する「ランドスケープ・ミュージアム」がコンセプト。「人と自然」を基本テーマとして作品の収集・展示を行う予定だ。
展示では、絵画や彫刻にとどまらず、写真、ビデオ、アニメーションなどの現代美術も積極的に取り上げ、高度技術文明、情報社会における人と自然の共存といった今日的なテーマも扱う。
美術館のコンセプトである「ランドスケープ・ミュージアム」を象徴する作品として、新美術館と東山魁夷館の間には、現代アーティスト中谷芙二子の《霧の彫刻 #47610 -Dynamic Earth Series I-》を常設展示。中谷芙二子は、人工的に“霧”を発生させるインスタレーション「霧の彫刻」を、日本だけでなく世界各地で発表している。本作では、刻々と変化する自然環境に応じて“かたち”を変える霧の姿を楽しむことができるだろう。
新たな長野県立美術館と東山魁夷館の新スタッフユニフォームのデザインを手掛けるのは、長野県出身であり、マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)のデザイナーを務める黒河内真衣子。深いブルーを基調に、セットで着用できるジャケット×ロングドレスを制作した。
開館初年度には、新美術館に着目した展覧会を開催。
2021年4月10日(土)から6月6日(日)まで開催される「長野県立美術館完成記念 未来につなぐ~新美術館でよみがえる世界の至宝 東京藝術大学スーパークローン文化財展」では、仏教を中心とした文化の伝来にフォーカス。「文化財の保護・保存と展示・公開の在り方」をテーマに、最新技術によって文化財を再現した“スーパークローン文化財”を紹介する。
続いて、「めぐりあいJAXA─ながのとながめ」「つながる美術館 宮崎浩とランドスケープ・ミュージアム」「10 Mame Kurogouchi」では、新美術館の建築・制服にまつわる展示や、JAXAの衛星からの映像を紹介する映像展を同時開催。会期は6月19日(土)から8月15日(日)まで。
そして、8月28日(土)から11月3日(水・祝)まで開催される「長野県立美術館グランドオープン記念 森と水と生きる」では、自然と人間が共存するなかで生まれた、近代から現代にまで至る絵画や彫刻、写真、インスタレーションなどを展示する。
長野県立美術館(旧長野県信濃美術館)
開館日:2021年4月10日(土)
住所:長野県長野市箱清水1-4-4 (善光寺東隣)
開館時間:9:00〜17:00(展示室入場は16:30まで)
休館日:水曜日(祝日の場合は開館し、翌日に休館)、年末年始(12月28日〜1月3日)
常設展観覧料:大人 700円、大学生・75歳以上 500円、高校生以下・18歳未満 無料
※本館コレクション展を開催していない日は、大人 500円、大学生・75歳以上 300円
■2021年度 新県立美術館オープニング展覧会
・「長野県立美術館完成記念 未来につなぐ~新美術館でよみがえる世界の至宝 東京藝術大学スーパークローン文化財展」
会期:2021年4月10日(土)~6月6日(日)
・「めぐりあいJAXA─ながのとながめ」「つながる美術館 宮崎浩とランドスケープ・ミュージアム」「10 Mame Kurogouchi」
会期:2021年6月19日(土)~8月15日(日)
・「長野県立美術館グランドオープン記念 森と水と生きる」
会期:2021年8月28日(土)~11月3日(水・祝)
【問い合わせ先】
TEL:050-5542-8600 (ハロ-ダイヤル)