企画展「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」が、2021年7月22日(木)から10月9日(土)まで、東京都美術館にて開催される。
「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」は、自らを取り巻く“障壁”を展望を可能にする橋へと変え、芸術活動の糧へと昇華させた5人の作り手にフォーカスする企画展。絵画、彫刻、写真、映像といったそれぞれ異なる分野のアーティストである5名の、不思議な親和性のある作品を一堂に集める。
東勝吉は、83歳から制作活動を始めた風景画家。木こりを引退した後、老人ホームで暮らしていた際に本格的に絵筆を握り、大分県由布院の風景画の制作に没頭。99歳で亡くなるまでの16年間で100余点の水彩画を描いた。
生前「カメラばあちゃん」の愛称で親しまれた、増山たづ子。故郷の岐阜県旧徳山村と村民を記録するため、還暦を過ぎてから写真の撮影に挑戦。彼女の没後、ダム建設によって消滅することとなる村の様子を、10万カットにも上る写真で後世へと伝えた。
ジョナス・メカスは、リトアニアの農家に生まれ、難民キャンプを転々とした後ニューヨークに亡命する多難な人生を歩んだ映像作家。貧困と孤独の中、中古の16ミリカメラで身辺の撮影を始めた数々の「日記映画」を残すこととなる。
イタリア・サレルノ出身のシルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田。彫刻家であった夫・保田春彦を支え、家事と育児に専念しつつも、寸暇を惜しみ彫刻と絵画の制作に勤しんだ。敬虔なクリスチャンであった彼女は、切実な祈りそのものでもあった制作という行為に真摯に取り組み、数々の作品を生み出した。
チェコのプラハに生まれたズビニェク・セカルは、反ナチス運動に関わり投獄、強制収容所での日々を経た後にアーティストとなった経歴の持ち主。40歳を過ぎて取り組んだ彫刻作品は、過酷な半生の経験に根付く複雑な感性が生きた独創的な様相を呈する。
【詳細】
企画展「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」
会期:2021年7月22日(木)~10月9日(土)
時間:9:30~17:30
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
住所:東京都台東区上野公園8-36
観覧料:一般 800円、65歳以上 500円
※学生以下、80歳以上、外国籍は無料。
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳保持者とその付き添い1名は無料。
※開催中の特別展チケット提示にて、一般料金より300円引き。
【問い合わせ先】
東京都美術館
TEL:03-3823-6921