■俳優業という新たなジャンルへと踏み出したFukaseさんですが、役を演じるうえで、これまでのアーティスト業が活かされたと感じた瞬間はありましたか?
沢山ありますよ!ライトな部分でいうと、カメラに怯えないところ。音楽のほうでも、沢山の撮影を経験してきたので、俳優としての現場でもカメラにたじろがないというのは、僕の中である程度培ってきたものが活かされていたのだと思います。
それから、もっと掘り下げたところでいうと、演技の表現ですかね。ある時、僕が演技指導を受けた際に「演技を下手だと思うのはどんな人ですか?」という、ざっくりとした質問を先生にしたことがあったんです。相手役の菅田君に「やっぱりこの人初心者だわ」て思われるの嫌だなあと思って(笑)
そうしたら先生が「感情が目の奥まで行き届いていない方は、下手だなと思うときはあります」と返答を下さって。おそらく一般の人にとっては、結構難解な内容かと思うのですが、僕はスッと腑に落ちてしまったんですよ。何故なら僕もボーカルとして歌っているときに、何かを一番伝えたいときは“黒目の奥の奥”を意識することが必要だと感じる瞬間が、今までにもあったので。そういった言語化が難しい感覚的なものを、この分野でも理解できたのは、これまでのお仕事がなければ成立していなかったのだなと感じています。
■音楽を続けていたからこそ、“ショートカット”できたことなんですね。演技をするうえで、これまでの経験を活かした“自己流テクニック”もあったのでしょうか?
演技の上では、常に感情を100%出し切らず、<70%>に留めること。
もともと、これはメンバーのSaoriちゃんの旦那さんであり、僕らのアートディレクターを務める池田大がくれた助言だったんですけど、奇遇にも僕はライブの際にも<70%>という状態を意識していたんですよ。
それは何故なら、感情のままに100%だし切って歌い上げてしまうと、洗練さが失われて、かえって観客に届きにくくなってしまうから。力任せに投げても、ボールがうまく飛ばないのと同じ現象なんです。そのため演技の上でも、残りの30%は、自分を俯瞰しているくらいのスペースを残してあげることを意識していて。これが実際うまくいったのかは、自分にはよく分かりませんが、常にこのマインドを忘れないように、台本には大きく書いていました(笑)
■『キャラクター』の現場を通して、今後も俳優業に挑戦してみたいと感じましたか?
気持ちとしてはやってみたいのだと思います。現場では、音楽では体験できない刺激も沢山ありましたし、自分ではない人間を演じることも想像以上にすごく楽しかったので。
けれど、もし僕が2回目にトライしたら、“あ、こいつ味しめてきたな”とか周りから思われそうで怖いな(笑)俳優の皆さんは、初回だったからあんなに優しく接してくれたのだと思うんですよ。僕がもし次の作品出るとなったら“俳優のこと、甘く見られちゃ困るんだよね~”みたいに豹変すると思いますもん!(笑)
もちろんそれはジョークですが、僕は<餅は餅屋>マインドで、初心を忘れず、驕り過ぎず、まずは本業を大切にしたいです。そして自分が作品に出ることによって、プラスになることが増えていくのであれば、その時俳優としての可能性も考えるべきなのかなと思っています。マジレスすると、少し騒がれたとしても、あまり図に乗らず、こういう時こそ慎重にやっていく必要があるのかな、なんて心に留めています。インタビューくらいマジレスしろよ!って話ですけどね(笑)
<衣装クレジット>
フーディ 135,300円/パンツ 225,500円/ネックレス 参考商品/スニーカー 150,700円
いずれも全てバレンシアガ(BALENCIAGA)
【問い合わせ先】
バレンシアガ クライアントサービス
TEL:0120-992-136
メインキャラクターの脇を固める登場人物には、『ゴジラvsコング』でハリウッド進出を果たす小栗旬、『浜の朝日の嘘つきどもと』で主演を務める高畑充希、『みをつくし料理帖』の中村獅童ら実力派キャストが勢ぞろい。いずれも主演・菅田とは複数回の共演を重ねてきた彼らによる、息の合った演技に期待が募る。
清田俊介(小栗旬):主人公・山城が描いた漫画と事件の関連性にいち早く気づき、その真相を探る刑事。
真壁孝太(中村獅童):清田の上司。
川瀬夏美(高畑充希):漫画家として鳴かず飛ばずの山城を陰で支える恋人。
原案および脚本を手掛けたのは、「20 世紀少年」ほか、数多くの浦沢直樹作品を手掛けてきたストーリー共同制作者・長崎尚志。また『20世紀少年』『MASTER キートン』をはじめ、『告白』『君の名は。』など実写からアニメーションまでを企画してきた川村元気、『信長協奏曲』『約束のネバーランド』などを仕掛けてきたプロデューサー・村瀬健が団結し、制作の実現に至った。なお監督は、『世界から猫が消えたなら』『帝一の國』『恋は雨上がりのように』など、精緻な人間模様を描いてきた永井聡が務める。
『キャラクター』の主題歌は、Youtubeの総再生回数が3.7億回を誇る音楽バンド・ずっと真夜中でいいのに。の作詞・作曲・ボーカルを務めるACAねと、2020年の日本レコード大賞にて新人賞を受賞した若手ラッパー・Rin音のコラボレーション楽曲「Character」を抜擢。本楽曲制作は、『映画 えんとつ町のプペル』をはじめとする映画音楽や藤井風などのアーティストへの楽曲提供で知られる、Yaffle(小島裕規)が担当している。
映画の公開に先立ち、ノベライズ版とコミカライズ版の発売が決定。ノベライズ版は映画の原案者であり、脚本を手掛けた長崎尚志自らが執筆。2021年5月7日(金)に発売。コミカライズ版『キャラクター』は、「月刊!スピリッツ」にて短期集中連載されることになっており、3月27日(土)発売の5月号から連載開始となる。
■映画『キャラクター』あらすじ
漫画家として売れることを夢見る山城圭吾は、高い画力があるにも関わらず、リアルな悪役キャラクターを描くことができず、万年アシスタント生活を送っていた。ある日、スケッチに出かけた先で惨殺事件に遭遇、しかも犯人を目撃してしまう。事件の第一発見者となった山城は、警察の取り調べに対して「犯人の顔は見ていない」と嘘をつく。それどころか自分だけが知っている犯人を基に殺人鬼の主人公“ダガー”を生み出し、サスペンス漫画「34(さんじゅうし)」を描き始めたところ、漫画は異例の大ヒット。瞬く間に売れっ子漫画家となった山城は、恋人の夏美とも結婚し、順風満帆な生活を手に入れた。
しかし、「34」を模したような事件が続き、刑事の清田俊介や真壁孝太から目をつけられる山城。そんな中、一人の男が山城の前に姿を現した。「 両角(もろずみ)って言います。先生が描いたものも、リアルに再現しておきましたから。」交わってしまった二人。山城を待ち受ける“結末”とは?
【作品詳細】
『キャラクター』
公開日:2021年6月11日(金)
監督:永井聡
脚本:長崎尚志
キャスト:菅田将暉、Fukase、高畑充希、中村獅童、小栗旬
原案:長崎尚志
配給:東宝