企画展「マーク・マンダース ─マーク・マンダースの不在」が、東京都現代美術館にて、2021年6月1日(火)より展示を再開。6月22日(火)まで開催される。
マーク・マンダースは、1968年にオランダに生まれ、現在はベルギーを拠点に活動している現代美術家だ。金沢21世紀美術館ではミヒャエル・ボレマンスとの2人展が開催されており、本展「マーク・マンダース ─マーク・マンダースの不在」は、国内美術館では初の個展となる。
マンダースは「建物としてのセルフ・ポートレイト」という独自の構想のもと、30年以上にわたって一貫した制作を続けている。その構想とは、“架空”の芸術家「マーク・マンダース」の自画像を「建物」の要素により構築するというもの。この「建物」の部屋に設置するための彫刻やオブジェをインスタレーションとして展開し、それらの配置全体から芸術家の“像”を浮かび上がらせるのだ。
個々の作品は、私的な記憶や過去の美術史に基づくイメージ、彫像や言葉などの多彩な要素から構成される。脆い/艶かしい質感、そして複数のパーツによる緊張に満ちた配置やスケールの不調和を、緻密に計算することで作られる作品群は、静謐さ・不穏さとともに、あるひとつの瞬間がすべて停止しているような感覚を呼び起こす──マンダースはそれを「凍結した瞬間」と呼んでいる。
マンダースの個々の作品は一瞬凍りつき、それら全体が架空のマンダース像を織りなす。しかし、異なる部屋や構成にしたがって置き換わることでまた別の自画像が浮かび上がるというように、「建物」全体が絶えず改変されてゆく。このようにして、作家マンダースの不在においてもなお、自画像としての「建物」が、現実と想像力が入り交じる空間に立ち現れるのだ。
企画展「マーク・マンダース ─マーク・マンダースの不在」では、作家本人の構想に基づいて、1フロア全体を1つの作品、すなわち「建物」のインスタレ―ションとして構成する。
会場には、近年のマンダースの重要な個展に必ず出品されてきた代表作も展示。なかでも《夜の庭の光景》と《マインド・スタディ》は、日本初公開となる。さらに、マンダースが自ら「大好きな作品」だと語る、部屋のインスタレーションも展示する予定だ。
作品を見る者は、今ここで確かに作品を前にする一方で、架空の作家の自画像として構想される「建物」の部屋の中にもいる──虚と実とが交錯するマンダース独自の空間を、本展では存分に楽しむことができるだろう。
企画展「マーク・マンダース ─マーク・マンダースの不在」
会期:2021年3月20日(土)~6月22日(火)〈完全予約制〉
※4月25日(日)から5月31日(月)までは全館臨時休館。
※6月1日(火)から展示を再開。6月22日(火)まで期間を延長。
休館日:なし ※会期中は通常休館日も開館。
会場:東京都現代美術館 企画展示室 3F
住所:東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
開館時間:10:00〜18:00(展示室入場は閉館30分前まで)
観覧料:一般 1,500円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,000円、中高生 600円、小学生以下 無料
※要事前予約。当日券の販売なし。
※予約は日付指定制。
※開催内容は変更となる場合あり。
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
※年中無休 9:00-20:00