企画展「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」が、東京の府中市美術館にて、2021年12月18日(土)から2022年2月27日(日)まで開催される。
池内晶子は、絹糸をつないで帯や紡錘をかたちつくり、空間にはりめぐらせ、周囲の空気を含みもつ作品を手がけてきた作家だ。企画展「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」は、池内の美術館で開催される初の個展となる。
糸のみを使用した池内の作品はミニマムで繊細であるものの、そこには絹糸という天然素材が持つ歴史や文化的背景、展示空間の特性など、外部とのさまざまな関係性が織り込まれている。また、絹糸は糸の重さや張り、あるいは空間内の人の移動や湿度の変化に応じて、伸び縮みをし、揺れうごく。池内の作品はそのように静かに呼吸をするかのようにして、しなやかで繊細な空間を織りなしてゆくのである。
池内が作品に糸を使用するようになったのは、1988年のこと。当初はポリエステルや綿など、さまざまな素材の糸を用いていたが、徐々に絹糸に絞られるようになる。また、池内の作品は絹糸を編むのではなく、結んでは切ることを繰り返すことでつくられる。糸を結ぶこととは、池内自身や家族の記憶、社会、そして自然とのつながりを象徴的に表しているのだ。
本展で池内は、会場の展示室を大胆に使い、ほぼ現場での制作による新作を発表する。池内は、事前に展示会場やその周辺のリサーチを行い、その場所でしか生みだしえない作品を手がけている。本展においても、美術館の空間構造と、それに伴って鑑賞者が体験する身体の移動を、周辺の地理的環境と重ね合わせた作品を展開する。
企画展「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」
会期:2021年12月18日(土)〜2022年2月27日(日)
会場:府中市美術館
住所:東京都府中市浅間町1-3
休館日:月曜日(1月10日(月・祝)は開館)、12月29日(水)〜1月3日(月)、1月11日(火)、2月24日(木)
開館時間:10:00〜17:00(入場は16:30まで)
観覧料:一般 700円(560円) 高校・大学生 350円(280円)、小・中学生 150円(120円)
※府中市の小・中学生は「府中っ子 学びのパスポート」で無料
※( )内は20名以上の団体料金
※常設展観覧料を含む
※未就学児および障害者手帳などの所持者は無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)