特別展「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」が、兵庫の姫路市立美術館にて、2021年7月3日(土)から9月5日(日)まで開催される。
特別展「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」は、日本の美意識を象徴する刀剣の“刃文”の美しさに着目した展覧会。刀身に浮かぶ白い波のような模様を指す“刃文”の美を手掛かりに、日本の風土が培ってきた豊かな心象風景を様々な視点から紐解いていく。展示室だけでなく庭園も活用した、スケールの大きい展覧会となっている。
多様な刃文の美に迫る第1章「刀剣の光陰」では、国内の名刀29口をはじめ、所蔵コレクションなども含め合計49口の刀剣を展示。国宝1件、国指定文化財4件も登場する、姫路市立美術館始まって以来最大規模の刀剣展示となる。各時代の特徴を示しながら、「直刃(すぐは)」「のたれ」「小乱れ」といった刃文の典型や、1つ1つの刃文に見て取れる美意識の形を紹介。平安時代から現代まで続く刀剣の歴史を展観する、ダイナミックな展示となっている。
第2章「風韻、そして海景」では、現代美術作家の杉本博司が蒐集してきた刀剣コレクション4件とともに、代表作の写真作品「海景」シリーズを展示。刀剣を軸にしたインスタレーションを通して、新たな視点から杉本博司の壮大な世界観を感じられそうだ。
また、刀匠・明珍宗裕と鍛冶師・明珍宗敬の明珍兄弟による実験的なインスタレーション《派生》にも注目。『玉鋼(たまはがね)』から打ち出される光と音色の表現世界を通して、現代社会に一石を投じた作品となっている。
庭園にて展開される第3章「たまはがねの響」では、世界遺産・国宝「姫路城」、国登録有形文化財「姫路市立美術館」、そして13点の彫刻のある庭園を一望に収める唯一無二の景観そのものを作品化する試みを実施。音響インスタレーション作品《星雲光響 2021》が展開される。
《星雲光響 2021》では、日本刀に使用される特別な鋼である玉鋼(たまはがね)に着目。明珍宗敬が手がけた「玉鋼製火箸群」による独特な音色と響きを素材に、パラメトリックスピーカーを活用した臨場感あふれる音響を体感する事ができる。また、館内では、1983年の姫路市立美術館開館時にホールに配されたステンドグラス作品《芸術の曙》の“光”と、「玉鋼製火箸」の“音色”のコラボレーションを楽しめる。
さらに、「国宝《太刀 銘 国行(来)(号明石国行)》」が展示されることを記念して、オンラインゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」とコラボレーション。刀剣男士・明石国行の等身大パネルが設置される他、ミュージアムショップでコラボレーション記念のグッズとして明石国行のクリアファイル・ポストカードセットが販売される。
【詳細】
文化観光拠点計画認定記念特別展「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」
会期:2021年7月3日(土)~9月5日(日)
開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
※会期中の金・土曜日および7月22日(木)は特別夜間開館のため、20:00まで開館(入場は19:30まで)。
休館日:月曜日(但し8月9日は開館)、8月10日(火)
会場:姫路市立美術館
住所:兵庫県姫路市本町68-25
出品点数:63点 ※会期中展示替えあり。
観覧料:一般 1,200(1,000)円、大学・高校生 600(400)円、中学・小学生 200(100)円
※( )内は20人以上の団体料金。
※同展入場券で常設展示室も観覧可能。