特別展「河内長野の霊地 観心寺と金剛寺─真言密教と南朝の遺産─」が、京都国立博物館にて、2022年7月30日(土)から9月11日(日)まで開催される。
京から高野山へ至る街道の合流地点として栄えた歴史をもつ、大阪府南部の河内長野市。この地には、真言密教の2つの古寺、観心寺と金剛寺があり、この地域の信仰文化の中心的な役割を担ってきた。また、南北朝時代には、後村上天皇の仮の御所・行宮(あんぐう)として、楠木正成をはじめとする南朝勢力の拠点となったことでも知られている。
特別展「河内長野の霊地 観心寺と金剛寺─真言密教と南朝の遺産─」では、《日月四季山水図屏風》や《観心寺勘録縁起資材帳》(いずれも国宝)をはじめとする観心寺と金剛寺の名品に加えて、近年の調査で新たに発見された寺宝を紹介。河内長野の歴史文化に光をあてる。
高野山に続く道中の巨大寺院として、観心寺と金剛寺は儀式や学問を行う仏教文化の中心地となり、優れた尊像や宝具、仏典が数多く集められた。本展では、《伝宝生如来坐像》や《大随求菩薩像》(いずれも重要文化財)など、河内長野に伝わる仏教美術の名品を一堂に展示する。
朝廷が南北に分かれて争った14世紀、京都奪回に失敗した南朝方の後村上天皇は、金剛寺、ついで観心寺を行宮とした時期があった。そのため両寺には、当時の歴史を物語る中世の遺物が多数伝えられている。会場では、後村上天皇の念持仏と伝えられる《厨子入愛染明王坐像》や《金銅観音菩薩立像》(いずれも重要文化財)、など、動乱の世紀にまつわる文化財を紹介する。
また、南朝にゆかりの深い両寺には、楠木正成やその一族が着用ないしは奉納したとされる中世の甲冑が残されている。本展では、《藍韋威腹巻》をはじめ、重要文化財に指定されているこれらの甲冑全22件を一挙に目にすることができる。
特別展「河内長野の霊地 観心寺と金剛寺─真言密教と南朝の遺産─」
会期:2022年7月30日(土)~9月11日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
[前期 7月30日(土)~8月21日(日) / 後期 8月23日(火)~9月11日(日)]
会場:京都国立博物館 平成知新館 2F・1F
住所:京都府京都市東山区茶屋町527
開館時間:9:00~17:30(入館は17:00まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般 1,200円、大学生 600円、高校生 300円、中学生以下 無料
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳の提示者および介護者1名は無料
※大学生および高校生は学生証を提示
※キャンパスメンバーズ(教職員を含む)は、学生証または教職員証の提示により、各種当日料金より400円引き
※事前予約不要
※会期などは変更となる場合あり(最新情報については博物館ウェブサイトおよび公式Twitterにて確認のこと)
【問い合わせ先】
TEL:075-525-2473 (テレホンサービス)