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銅版画家・長谷川潔の展覧会が町田市立国際版画美術館で - “日常に潜む神秘”を描いた創作の軌跡を紹介

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企画展「長谷川潔 1891-1980展 ─ 日常にひそむ神秘 ─」が、東京の町田市立国際版画美術館にて、2022年7月16日(土)から9月25日(日)まで開催される。

日常にひそむ神秘を描きだす

長谷川潔《アカリョムの前の草花(草花とアカリョム)》1969年 メゾチント 269×360mm 町田市立国際版画美術館
長谷川潔《アカリョムの前の草花(草花とアカリョム)》1969年 メゾチント 269×360mm 町田市立国際版画美術館

長谷川潔(はせがわ きよし)は、1919年に日本を離れて以来、パリを拠点に活動した銅版画家だ。さまざまな銅版画の技法に習熟し、なかでもメゾチント(マニエール・ノワール)と呼ばれる古典的な版画技法を現代に蘇らせたことで知られている。パリ画壇で高く評価されたほか、フランスでは文化勲章、日本では勲三等瑞宝章を授与されるなど、芸術家としての功績がたたえられている。

長谷川潔《アレキサンドル三世橋とフランスの飛行船》1930年 メゾチント 137×307mm 町田市立国際版画美術館
長谷川潔《アレキサンドル三世橋とフランスの飛行船》1930年 メゾチント 137×307mm 町田市立国際版画美術館

企画展「長谷川潔 1891-1980展 ─ 日常にひそむ神秘 ─」では、最初期の作品から晩年の1970年代に手がけられた銅版画まで、長谷川潔の作品を年代順に紹介。また、関連作家の作品も展示するほか、長谷川が手がけた挿絵本の傑作である仏訳の『竹取物語』にも光をあてる。

初期から晩年までの創作活動を展観

長谷川潔《思想の生れる時》1925年 ドライポイント・手彩色 126×98mm 町田市立国際版画美術館
長谷川潔《思想の生れる時》1925年 ドライポイント・手彩色 126×98mm 町田市立国際版画美術館

1891年に生まれた長谷川は、1910年代半ばより文芸同人雑誌『仮面』の版画家として創作活動をスタート。1919年にフランスに渡ると、南フランスの風景、神話に登場するヴィーナスのような女性像、そして机上の静物などを描いて自らの表現を模索した。メゾチントを研究し、現代版画の技法として復活させたのは、この模索期のことである。

長谷川潔《開かれた窓》1951年 エングレーヴィング 297×225mm 町田市立国際版画美術館
長谷川潔《開かれた窓》1951年 エングレーヴィング 297×225mm 町田市立国際版画美術館

長谷川は第二次世界大戦中、見慣れた1本の樹が不意に人間と同等に見え、万物は同じだと気付いてから、絵が変わったと自ら語っている。これ以降の静物画や風景画では、日常に潜む神秘に着目し、身の回りの深淵な世界の広がりを描きだすことが試みられている。さらに、1950年代末から60年代末にかけて制作されたマニエール・ノワールの静物画は、オブジェや草花、小鳥などを精緻に構成することで深遠な精神世界を表現しており、長谷川の到達点として位置付けられてる。

長谷川潔《時 静物画》1969年 メゾチント 269×360mm 町田市立国際版画美術館
長谷川潔《時 静物画》1969年 メゾチント 269×360mm 町田市立国際版画美術館

本展では、『仮面』同人の版画家として活動していた時期の作品から、《アレキサンドル三世橋とフランスの飛行船》といった模索期の作品、《コップに挿した枯れた野花》など戦後に手がけられたエングレーヴィングの銅版画作品、そして《アカリョムの前の草花(草花とアカリョム)》や《時 静物画》といったマニエール・ノワールの静物画まで、約165点の作品を紹介する。

仏訳『竹取物語』挿絵頁も展示

長谷川潔 仏訳『竹取物語』挿絵 1934(1933)年 エングレーヴィング 148×100mm 町田市立国際版画美術館
長谷川潔 仏訳『竹取物語』挿絵 1934(1933)年 エングレーヴィング 148×100mm 町田市立国際版画美術館

また、長谷川は1934年に、挿絵本の仏訳『竹取物語』を完成させている。パリの日本大使館勤務の外交官、本野盛一によるフランス語のテキストと、長谷川によるエングレーヴィングの挿絵が共鳴した同書は、近代挿絵本の傑作だといえる。本展では、この仏訳『竹取物語』挿絵頁を可能なかぎり多く展示する。

展覧会概要

企画展「長谷川潔 1891-1980展 ─ 日常にひそむ神秘 ─」
会期:2022年7月16日(土)〜9月25日(日)
会場:町田市立国際版画美術館
住所:東京都町田市原町田4-28-1
開館時間:平日 10:00~17:00 / 土日祝 10:00~17:30
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(7月18日(月・祝)、9月19日(月・祝)は開館)、7月19日(火)、9月20日(火)
観覧料:一般 800円(600円)、大学生・高校生 400円(300円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※展覧会初日の7月16日(土)は無料
※シルバーデー(毎月第4水曜日:7月27日(水)、8月24日(水))は、満65歳以上無料
※身体障がい者手帳、愛の手帳(療育手帳)、精神障がい者保健福祉手帳の提示者および付添者1名は半額
※各種割引については、美術館ホームページを確認のこと

【問い合わせ先】
町田市役所代表電話
TEL:042-722-3111

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